Googleがコンテンツを評価する際に重要視しているE-E-A-Tって知ってる?
知らないです。また小難しい英単語が出てきましたね…
今回はGoogle検索品質評価ガイドライン(以後、品質評価ガイドライン)に記載されているE-E-A-Tについて詳しく解説していきます。
また、中小企業が行うべきE-E-A-T対策も要素別でご紹介していきます。
目次
E-E-A-Tとは
E-E-A-Tとは、コンテンツの評価指標として、品質評価ガイドラインで定義されている概念です。
「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trust(信頼)」の頭文字をとり、E-E-A-Tと呼ばれています。
2014年3月31日の品質評価ガイドラインでE-A-Tが登場し、2022年12月15日のアップデートでExperience(経験)が追加されE-E-A-Tとなったんだ。
ちなみに品質評価ガイドラインとは、Google検索エンジンが適切に機能しているか、外部の品質評価者がチェックするために使うガイドラインだよ。
経験(Experience)
経験(Experience)とは、コンテンツ制作者の経験・体験が考慮される要素です。
2022年12月15日に品質評価ガイドラインに追加された項目です。
経験がない人より、経験がある人から教わった方が説得力ありますもんね
そういう事だね!
理解を深めるために、品質評価ガイドラインにある経験(Experience)についての原文と翻訳を紹介するよ。
Experience : Consider the extent to which the content creator has the necessary first-hand or life experience for the topic. Many types of pages are trustworthy and achieve their purpose well when created by people with a wealth of personal experience. For example, which would you trust: a product review from someone who has personally used the product or a “review” by someone who has not?
引用: 品質評価ガイドライン 3.4 Experience, Expertise, Authoritativeness, and Trust (E-E-A-T)
専門性(Expertise)
Expertise(専門性)は、コンテンツ制作者がそのトピックに対して、どれだけ専門的な知識やスキルを持っているかを考慮する要素です。
例えば、医者でも内科、外科、耳鼻科などそれぞれ専門があるよね。当然だけど外科手術は外科医に任せた方が良い。コンテンツも同様に専門性の有無が重要視されているんだ。
なるほどです。誰が書いた記事なのかが重要ということですね。
そういうことだね。あわせて、品質評価ガイドラインの原文も確認しておこう。
Expertise : Consider the extent to which the content creator has the necessary knowledge or skill for the topic. Different topics require different levels and types of expertise to be trustworthy. For example, which would you trust: home electrical rewiring advice from a skilled electrician or from an antique homes enthusiast who has no knowledge of electrical wiring?
引用:品質評価ガイドライン 3.4 Experience, Expertise, Authoritativeness, and Trust (E-E-A-T)
権威性(Authoritativeness)
権威性(Aithoritativeness)とは、コンテンツ制作者、もしくはサイト自体にどの程度権威があるかということ。
権威ってなんですか?
権威とは、ある分野において優れたものとして信頼されている状態を指すんだ。例えば、ノーベル化学賞に受賞した人たちは、その分野の権威性を発揮していることになる。
権威性も、原文と翻訳を確認してみましょう。
Authoritativeness: Consider the extent to which the content creator or the website is known as a go-to source for the topic. While most topics do not have one official, Authoritative website or content creator, when they do, that website or content creator is often among the most reliable and trustworthy sources. For example, a local business profile page on social media may be the authoritative and trusted source for what is on sale now. The official government page for getting a passport is the unique, official, and authoritative source for passport renewal.
引用;品質評価ガイドライン 3.4 Experience, Expertise, Authoritativeness, and Trust (E-E-A-T)
信頼(Trust)
信頼(Trust)では、そのサイトやコンテンツが信頼できるかどうかが考慮されています。
E-E-A-Tの中でも、最も重要視されている指標です。
「なぜ、信頼が最も重要なんですか?」
極端な例だけど、詐欺師のスペシャリスト(経験・専門性・権威性は高い)の話は信頼できるかな?
どんな話も鵜呑みにできないですね。
だよね。だから中心要素は信頼になるんだ。品質評価ガイドラインの図を見るとわかりやすいよ。
信頼も原文を紹介しておくね。
Trust is the most important member of the E-E-A-T family because untrustworthy pages have low E-E-A-T no matter how Experienced, Expert, or Authoritative they may seem. For example, a financial scam is untrustworthy, even if the content creator is a highly experienced and expert scammer who is considered the go-to on running scams!
引用:品質評価ガイドライン 3.4 Experience, Expertise, Authoritativeness, and Trust (E-E-A-T)
E-E-A-TはSEOに直接影響する要因ではない
ここまで、E-E-A-Tについて品質評価ガイドラインを見ながら説明しました。
実は、E-E-A-T自体は、SEOに直接影響する要因ではないんだ。
以下は、Google検索セントラルの発言だよ。
E-E-A-T 自体はランキングに直接影響する要因ではありませんが、E-E-A-T が優れているコンテンツを特定できる要素の組み合わせを使用することは有効です。たとえば、Google のシステムでは、人の健康や安全、経済的安定、社会の福利厚生に大きく影響する可能性のあるトピックについては、E-E-A-T が優れたコンテンツを特に重視します。Google はこうしたトピックを「Your Money or Your Life」、または略して YMYL と呼びます。
えっ、そうなんですか… SEOに効果が無いなら気にしなくて良いのでは?
いや、そうでもない。SEOにも影響があると私は考えている。
E-E-A-TはSEOに影響があるのか?
E-E-A-Tが満たされているコンテンツは、ユーザーにとって有益だと思う?
経験もあり、専門性もあり、権威性もあり、信頼できるコンテンツということですよね。
それは、有益以外の何物でもないと思います!
そうだね。そしてGoogleはユーザーファーストを貫いている。だからE-E-A-Tを高めることは、SEO対策に繋がる、というのが私の考えだ。
YMYLで特に重要視されているE-E-A-T
E-E-A-Tが特に重要視されているジャンルにYMYLがあります。
Googleは、検索エンジンの結果を通じて人々が不幸にならないように、特に健康やお金に関連する情報(YMYL)において、E-E-A-Tを非常に重要視しているわけだね
YMYLを重要視している事例として、2017年12月6日に実施された「医療と健康に関連する検索結果の改善」があります。
通称、健康アップデートと呼ばれていて、医療・健康に関する検索の60%に影響すると、Google公式が発表していたよ。
Google では、今週、日本語検索におけるページの評価方法をアップデートしました。
この変更は、医療や健康に関する検索結果の改善を意図したもので、例えば医療従事者や専門家、医療機関等から提供されるような、より信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなります。本アップデートは医療・健康に関連する検索のおよそ 60% に影響します。
このような事例からも、運用サイトにYMYLが存在する場合、よりE-E-A-Tに注力する必要があります。
品質評価ガイドラインから探る評価されているE-E-A-Tとは
品質評価ガイドラインとは、外部の評価者が検索エンジンを評価するためのガイドブックだと説明したよね。
はい、そうでしたね!
品質評価ガイドラインには、ページの評価基準を5つ設けているよ
- 最高品質ページ(Highest Quality Pages)
- 高品質ページ(High Quality Pages)
- 中品質ページ(Medium Quality Pages)
- 低品質ページ(Low Quality Pages)
- 最低品質ページ(Lowest Quality Pages)
ガイドラインでは、ページ評価ごとの具体例(ウェブサイト)が記載されています。
ガイドラインの事例などから評価されているE-E-A-Tのポイントを見ていこう。
どういった要素が評価されているのか気になります!
※補足
トピックにより、E-E-A-Tの基準は異なります。これからご紹介する要素は、すべてのトピックに当てはまるものではありません。
最低品質ページから読み解くE-E-A-Tの要素
-
詐欺、犯罪、不正などの否定的な記事やレビューがある
-
人を欺く目的で作られたページやデザイン
人を騙す目的で、経験(Experience)・専門性(Expertise)を発揮してしまうと、信頼(Trust)はできない。そのためE-E-A-Tの評価は下がるという理屈だね。
以下は、品質評価ガイドラインで具体例として挙がっていた一例です。
Site selling children’s jungle gym
Evidence of fraudulent behavior : There are many reviews on websites describing how users sent money and did not receive anything in return. There is also a news article about this business engaging in financial fraud.
引用:4.5.2 Lowest E-E-A-T and Lowest Reputation of the Website or Content Creator
高品質ページから読み解くE-E-A-Tの要素
- 肯定的な評判(信頼できる)
- 有名メディアへの寄稿(権威性が高い)
- 専門家としての認知(専門性がある)
外部の評価者は、様々な情報からE-E-A-Tの要素を評価しているんだ。以下は、ガイドラインの事例だよ。
引用:品質評価ガイドライン 8.4 Examples of Highest Quality Pages
最高品質ページから読み解くE-E-A-Tの要素
- 制作者・サイトの受賞歴が多い
- 豊富な専門性・経験
- 権威性がある
- あるトピックの情報源として定評がある
- 肯定的なレビューが多い
引用:品質評価ガイドライン 8.4 Examples of Highest Quality Pages
YMYLトピックなので、E-E-A-Tの各要素が抜群に高いですね。
引用:品質評価ガイドライン 8.4 Examples of Highest Quality Pages
ウィキペディアの記事もE-E-A-Tの評価に繋がるんですね。
引用:品質評価ガイドライン 8.4 Examples of Highest Quality Pages
ECサイトでは、レビュー(お客様の声)は必須といっても過言ではないでしょう。
【要素別】E-E-A-Tを高める対策
E-E-A-Tの重要さはわかりましたが、E-E-A-Tを高めるためにはどうすればよいのでしょうか?
それぞれの要素別でE-E-A-T対策を紹介していくね。
E-E-A-Tの「経験」を高める対策
E-E-A-Tの「経験(Experience)」を高める具体的な方法を紹介します。
- コンテンツに体験を盛り込む
- 経験者にヒアリングを行う
コンテンツに体験を盛り込む
コンテンツに関する体験を盛り込むことで、どこにでもある記事からオリジナリティのある記事へと変わります。
例えば、おすすめの商品を紹介する記事であれば、実際に使って感じたメリット・デメリット、使用感などを書くと良いでしょう。
経験者にヒアリングを行う
コンテンツの内容によっては、自身で体験するのが困難なケースがあります。
そういったケースでは経験者にヒアリング行うのが有効です。
E-E-A-Tの「専門性」を高める対策
E-E-A-Tの「専門性(Expertise)」を高める具体的な方法を紹介します。
- 自社の専門性を活かしテーマを絞る
- 一次情報をコンテンツに含める
- 専門家の監修を依頼する
自社の専門性を活かしテーマを絞る
専門性を高めるために、サイトのテーマを絞ると良いでしょう。
もし、いくつも専門性を持っている場合は、専門サイトを複数持つ事も検討してみましょう。
なお、専門を選択する際には、そもそも需要があるのか確認することも大切です。
需要の有無の調べ方については、以下の記事で解説しています。
■内部リンク予定: キーワード選定
一次情報をコンテンツに含める
一次情報をコンテンツに含めると専門性の向上に効果的です。
当サイトを例に出すと、SEO対策の事例が該当するよ
専門家の監修を依頼する
記事テーマの専門家に監修を依頼するのは、専門性を高めるのに効果的です。
- テーマに沿った専門家を探す
- 監修者の依頼を行う。
- 記事内に監修者のプロフィールを掲載する
特に、高いE-E-A-Tを求められるYMYLでは監修者の有無は大きな差になる、と私は考えているよ。
E-E-A-Tの「権威性」を高める対策
E-E-A-Tの「権威性(Authoritativeness)」を高める具体的な方法を紹介します。
- 有名なサイトや公共機関に紹介される
- 資格や受賞歴があればサイトに掲載する
有名なサイトや公共機関で紹介される
有名サイト・公共機関・wikipediaなどのドメインパワーの高いサイトで紹介されることで権威性は高まります。
信頼できるサイトからの紹介(外部リンク)は、SEOにも有効です。
具体的な対策方法は以下の記事で紹介しています。
■内部リンク予定(被リンク対策)
資格や受賞歴があればサイトに掲載する
特別な資格や、受賞歴があればサイトに掲載し権威性を高めましょう。
時々、受賞歴はあるけど自慢っぽく見えるので書くのはちょっと…という人もいるかも知れません。
しかし、E-E-A-Tを高める上では、受賞歴は掲載するべきだよ。
E-E-A-Tの「信頼性」を高める対策
- サイテーションの獲得
- 引用・出典元・参考を表記する
- 定期的にコンテンツを更新する
- 運営者情報を開示する
- 事実と意見を明確に区別する
- お客様の声を掲載する
- 編集ポリシーを公開する
サイテーションの獲得
サイテーションとは企業名やサイト名などが他サイトやSNSに書かれることを指します。
(自ら記載することも含む)
引用・出典元・参考を表記する
コンテンツ制作者は、引用・出典元・参考を掲載することで「情報の信頼性」を高めることが出来ます。
この情報は正しいのかな?とユーザーに疑問を持たさないためにも、大切なテクニックなんだ
定期的にコンテンツを更新する
記事ジャンルにもよりますが、コンテンツの鮮度を保つことは重要です。
例えば、SEO界隈はどんどん進歩するので、5年前の情報だと古すぎるわけだね。
そのためにも、コンテンツを定期的に更新するようにしよう。
コンテンツの更新(リライト)については、以下の記事で紹介しています。
■内部リンク予定
運営者情報を開示する
運営者情報を開示し、誰が書いたのか責任の所在を明確にしましょう。
参考までに当サイトでは、記事の執筆者を記事の終わりにのせているよ。
事実と意見を明確に区別する
事実と意見を明確に区別する事で信頼性は上がる、と私は考えています。
個人の意見があたかも事実と錯覚させるような言い回しには気をつけよう。
また、事実を書くときには根拠となる情報源を記載してあげると情報の信頼度が向上するよ
お客様の声を掲載する
お客様の声をサイト内に掲載するのも信頼(Trust)の向上には欠かせません。
たしかに、企業の情報より、口コミやお客様の声の方が気になります。
編集ポリシーを公開する
コンテンツ制作者、またはサイト自体の編集ポリシーを公開することも信頼性向上の要素になるでしょう。
コンテンツ制作者が、なぜこのコンテンツを作ろうと思ったのか、つまり作成意図をGoogleは重要視しているんだ。
だからこそ、編集ポリシーを作成しておくことは信頼(Trust)の向上に繋がる、と私は考えているよ。
なぜ(コンテンツが作成されたか)
「なぜ」はおそらく、コンテンツに関して答えるべき最も重要な質問です。そもそもなぜコンテンツを作成したのでしょうか。
この「なぜ」に対する答えは、何よりも人の役に立つ、サイトを直接訪れた人々にとって有用なコンテンツを作るというものであるはずです。もしそうであるなら、E-E-A-T のコンセプトに沿った、Google のコア ランキング システムによって高く評価されるものであるといえます。
追加で実践しておきたいE-E-A-T対策
ここからは、追加で実践しておきたいE-E-A-T対策をご紹介します。
- サイトをSSLにする
- Googleマイビジネスの登録
- whois情報の公開
サイトをSSLにする
SSLとは、インターネット上のデータ通信を暗号化して送受信する仕組みのこと。
SSLを行うと、URLが「http」から「https」に変わります。
自分のサイトがSSL化されているのか、わかりません。
自分のサイトにアクセスして、以下のどちらになっているか確認してみよう。
- パソコンで見たイメージ
- スマホで見たイメージ
- パソコンで見たイメージ
- スマホで見たイメージ
SSL対応にすることによってSEO対策にもなるんだ。
Googleがランキングシグナルとして使用している、と明言しているよ。
Google はランキング シグナルとして HTTPS を使用することにしました。
誰もがウェブを安全に利用できるよう、すべてのウェブサイトの所有者に HTTP から HTTPS への切り替えをおすすめしたいと考えているため、今後このウェイトは大きくする予定です。
Googleマイビジネスの登録
Googleマイビジネスは、GoogleやGoogleMapに企業・店舗情報を表示させることのできる無料サービスです。
情報を正しく掲載することで、お客様からの信頼を高めることに繋がります。
whois情報の公開
Whois情報とは、ドメインやIPアドレスの所有者情報のこと。
Whois情報は誰でも無料で確認することができます。
確認サイト:WHOIS検索
ドメイン取得の際に、Whois情報公開代行を使っていると、個人情報が非公開※となるんだ。
Whois情報を確認し、ドメインの個人情報が反映されているか確認してみましょう。
※厳密にはに置換される
法人の場合は、自社情報で登録をしておいた方が、信頼性は高まるでしょう。
どうやって変更すれば良いのですか?
契約ドメインサービスによって変更方法は異なるんだ。
契約ドメインサービスのWhois情報変更マニュアルを見てみよう!
まとめ E-E-A-T対策に近道はない。
今回は、E-E-A-Tの基礎知識、E-E-A-T対策方法について解説しました。
個人的には、今後よりいっそうE-E-A-Tの重要性が増していくと考えています。
またE-E-A-T対策に近道はないので、コツコツとそれぞれの要素を積み上げていくことをおすすめします。
今回の内容をまとめておきます。
- E-E-A-Tとは、経験(Experience)、Expertise(専門性)、権威性(Aithoritativeness)、信頼(Trust)の頭文字をとった略語
- YMYLで特に重要視されている
- コンテンツに体験を盛り込む
- 経験者にヒアリングを行う
- 自社の専門性を活かしテーマを絞る
- 一次情報をコンテンツに含める
- 専門家の監修を依頼する
- 有名なサイトや公共機関に紹介される
- 資格や受賞歴があればサイトに掲載する
- サイテーションの獲得
- 引用・出典元・参考を表記する
- 定期的にコンテンツを更新する
- 運営者情報を開示する
- 事実と意見を明確に区別する
- お客様の声を掲載する
- 編集ポリシーを公開する
E-E-A-Tを正しく理解して、良いコンテンツ作りに活かしていこう!
はい!コツコツとE-E-A-Tを積み上げていきます!
今回は以上です。