「URLを変更したら検索順位が落ちた…」そんな経験はありませんか?
Webサイト運用において、URLの変更やページ移動は避けられない作業のひとつです。
しかし、適切な手順を踏まなければ、これまで積み重ねてきたSEO評価やユーザーからの信頼を失ってしまう可能性もあります。
そんなリスクを回避するために活用されるのが「301リダイレクト」です。
これは、旧URLから新URLへ評価とアクセスを正しく引き継ぐための仕組みであり、SEO対策において基本中の基本とも言える重要な設定です。
本記事では、301リダイレクトの基礎知識から設定方法、よくあるトラブルとその回避策まで、初心者でも失敗しないための具体的なポイントを丁寧に解説します。
SEOの土台を守るために、正しいリダイレクトの理解と実装を進めましょう。
・URL変更やページ構成の整理で、SEOに悪影響が出ないか心配
・301リダイレクトの設定が本当に正しくできるか不安
・移行後も検索順位や流入をキープしたいけれど、自信がない
そんなときは、一人で抱え込まずに、専門家の力を借りてみませんか?
リニューアル前の設計段階からSEO視点で丁寧にサポートいたします。
不安を解消し、安心してリニューアルを進められるよう、まずは一度ご相談ください。
目次
301リダイレクトの基本理解
301リダイレクトは、Googleが明確に「評価資産の継承手段」として位置づけるほど、Webサイト運用において基本かつ戦略的に重要な仕組みです。
URL変更の際に適切なリダイレクトを行わなければ、長年蓄積された検索評価(PageRank)やユーザーからの信頼を一気に失うリスクがあります。
特に「301」と「302」の違いを正しく理解し、意図に応じて適切に使い分けることが、検索順位・クロール効率・ユーザー体験のすべてに直結するのです。
このセクションでは、301リダイレクトと302リダイレクトの仕組み・目的・使い分けの基準を丁寧に解説します。
301リダイレクトとは
301リダイレクトとは、WebページのURLが恒久的に変更されたことを検索エンジンやユーザーに伝える仕組みです.
HTTPステータスコード「301 Moved Permanently」が返されることで、旧URLから新URLへ自動的に転送されます。
このリダイレクトを活用する最大の理由は、SEO評価やユーザー体験を損なわずにWebページを移行できる点にあります。
たとえば、旧URLに集まっていた外部リンクの評価も、301を通じて新しいURLに引き継ぐことが可能です。
実際、多くの企業サイトではドメイン変更やSSL化(http → https)、サイト構造の整理などにともない、301リダイレクトを導入しています。
適切に設定することで、検索順位を維持しながらクローラーにも正確な情報を届けることができます。
301リダイレクトは、SEOにおける評価資産を守るうえで非常に重要な手段と言えるでしょう。
302リダイレクトとは?
302リダイレクトとは、一時的に別のURLに転送するHTTPステータスコードであり、「将来的に元のURLへ戻す予定がある」という前提で使用されます。
以前は「SEO評価を新URLへ移行させない」とされていましたが、現在のGoogleは、302リダイレクトでもPageRankを適切に引き継ぐと明言しています。
ただし、検索エンジンにとっては「旧URLが正規URLである可能性が高い」という弱いシグナルとなるため、新URLがインデックスされるまでに時間がかかる傾向があります。
そのため、恒久的な移動には301を使い、一時的な用途に限って302を使うのが望ましい運用です。
たとえば、A/Bテストの実施や、イベント用の特設ページ公開時に適しています。
参考:
Why 302 Redirects Often Are Treated As 301 Redirects By Google Search
Google’s John Mueller: 302 Redirects Pass PageRank
301リダイレクトと302リダイレクトの違い(比較表)
301と302のリダイレクトは目的もSEOへの影響も大きく異なります。
正確な選択をすることは、サイトの信頼性・検索順位・ユーザー体験すべてに直結します。
以下の比較表で、プロの現場でも迷わない「銀河一明快な使い分け基準」を確認しましょう。
比較項目 |
301リダイレクト |
302リダイレクト |
転送の意味 |
恒久的な転送 |
一時的な転送 |
SEO評価の引き継ぎ |
引き継ぐ |
状況により評価が引き継がれるが、新URLが正規として認識されるまでに時間を要する可能性がある |
インデックス対象 |
新しいURL |
元のURLが残る可能性あり |
主な用途 |
サイト移転、URL変更、ページ統合など |
A/Bテスト、メンテナンス時の仮設ページなど |
Googleの認識 |
新URLを正規ページと判断 |
元のURLに戻る前提と認識する |
使用上の注意点 |
関連性の高いページへ転送する |
長期使用を避ける、目的を明確にする |
転送が一時的か恒久的か、評価を移したいかどうかが判断基準です。
誤った設定はインデックスの遅れや評価の分散につながるため、慎重に選びましょう。
301リダイレクトがSEOに与える3つの影響
301リダイレクトを適切に設定することで、検索エンジンとユーザーの両方にとって自然な移行が実現できます。
旧URLの評価を無駄にせず、サイト全体の健全性を維持するためにも、影響を正しく理解しておくことが重要です。
このセクションでは、301リダイレクトがSEOに対して具体的にどのような効果をもたらすのか、3つの観点から整理して解説します。
旧URLのSEO評価を新URLに引き継げる
301リダイレクトを設定する最大のメリットは、旧URLが持っていたSEO評価を新URLに100%引き継げる点です。
Googleは2016年に「301を含むすべての30xリダイレクトはPageRankを一切失わない」と公式に発表しており、適切に301リダイレクトを設定すれば、被リンクや信頼性をそのまま新URLへ移行できます。
したがって、URL構造の変更やページ統合の際にも、検索順位の急落を避けながら移行を行うことが可能です。
一方、リダイレクトを設定しない場合、SEO評価は旧URLに残ったままとなり、新URLはゼロからの評価となってしまいます。
正しいリダイレクト設定は、SEO戦略の安定性を確保するための基礎です。
たとえば、長年運営してきたサービス紹介ページのURLを変更した場合、301リダイレクトを使えば既存の外部リンクや検索エンジンの評価を維持したまま移行できます。
これは、長期的なSEO戦略の安定性にも直結する重要なポイントです。
参考:Google: Any 3xx Redirect Does Not Lose PageRank At All
ユーザーを自然に新ページへ誘導できる
301リダイレクトを正しく設定すれば、旧URLにアクセスしたユーザーを自動的に新しいページへ誘導することができます。
これにより、ページが移動したことに気づかせずに、スムーズな閲覧体験を提供できます。
リダイレクトがなければ、ユーザーは存在しないページに迷い込み、「404エラー」に直面してしまいます。
これが続くと離脱率が上がり、信頼性の低下にもつながります。
たとえば、URL構造の見直しやドメイン変更を行った際、301リダイレクトを設定しておくことで、ブックマークや検索結果から旧URLへアクセスしても問題ありません。
ユーザーは意識することなく、新しい情報にたどり着けます。
ページの移動に気づかせない自然な誘導は、ユーザビリティとSEOの両立に役立ちます。
無駄なクロールを防ぎ、クロール予算を有効活用できる
301リダイレクトは、検索エンジンのクローラーが古いURLにアクセスし続ける無駄なクロールを防ぐ手段としても非常に重要です。
適切に設定することで、Googleの「クロール予算」(検索エンジンが特定のサイトに割り当てるクロールリソース)を無駄なく使い、新URLが効率的にインデックスされるようになります。
ただし、リダイレクトチェーン(複数段階の転送)が発生すると、クロール効率が大幅に低下します。
GoogleのJohn Mueller氏は、Googlebotは1回のクロールで最大5回までしかリダイレクトを辿らないと明言しており、これを超えるとそれ以降のページはクロール対象外となるリスクがあります。
このため、リダイレクトは1ステップで完結させることが推奨されます。
また、内部リンクやXMLサイトマップも必ず新URLに更新し、不要な転送を発生させないようサイト構造全体を最適化する必要があります。
たとえば、コンテンツ統合後に旧URLが大量に残っている場合、それらが正しくリダイレクトされていないと、クローラーは無駄にリソースを消費し、本来優先すべき重要ページのクロールが後回しになる可能性もあります。
301リダイレクトを活用してクロールルートを明確に整理することが、サイト全体の健全性維持につながります。
関連記事:クローラーとは?検索エンジンの基礎知識
参考:GoogleBot Follows Up To Five Redirects At The Same Time
301リダイレクトを設定すべきケース
301リダイレクトは、恒久的なURL変更が発生したときに設定するのが基本です。
目的は、旧URLの評価やアクセスを新しいURLに正しく引き継ぐことにあります。
たとえば、ドメインの変更やURL構造の見直し、SSL化への対応などが該当します。
そのまま放置すると、検索順位の低下やユーザーの離脱を招く恐れがあります。
リダイレクトを適切に設定すれば、検索順位の維持やユーザーの離脱防止につながり、移行後も安定したサイト運用が実現できます。
以下で、それぞれのケースについて詳しく解説していきます。
ドメイン変更・サイト移転時
ドメインの変更やサイト全体の移転は、301リダイレクトを設定すべき最も代表的なケースです。
理由は、旧ドメインに蓄積されたSEO評価や外部リンクの効果を、新ドメインへ正しく引き継ぐ必要があるからです。
301リダイレクトを設定すれば、旧URLにアクセスしたユーザーや検索エンジンのクローラーが、自動的に新しいURLへ転送されます。
この対応により、検索順位の急落やインデックスの混乱を防ぐことができます。
たとえば、ブランド名の変更や企業の統合によってドメインを変える場合、すべてのページに個別のリダイレクトを設定することで、評価の移行がスムーズになります。
ドメイン変更時は、サイト全体の信頼性と流入を維持するために、301リダイレクトの設計が不可欠です。
URL構造変更・ページ統合時
サイト内のURL構造を見直したり、複数のページを統合したりする際にも、301リダイレクトの設定が重要です。
検索エンジンに新旧の対応関係を正確に伝えるための橋渡しとなります。
たとえば、example.com/service-aと/service-bを1ページにまとめて/serviceにした場合、旧URLを301リダイレクトしなければ、それぞれの評価が失われる可能性があります。
また、内部リンクや外部リンクも404エラーを返すことになり、ユーザー離れや信頼性低下を招きかねません。
適切なリダイレクトを行えば、URL変更によるSEO評価の分散を防ぎ、統合ページに評価を集中させることができます。
特に情報が重複していたページを集約する際は、リダイレクト設計を意識しておくことが大切です。
http→httpsへのSSL対応時
サイトを常時SSL化(https化)する際にも、301リダイレクトは必須の対応です。
httpからhttpsへのURL変更は、検索エンジンから見れば別ページとして認識されるため、正しく転送しなければ評価が分散する恐れがあります。
SSL化はセキュリティ向上だけでなく、Googleがランキング要因の1つとして明言している施策でもあります。
しかし、リダイレクトを設定しないまま移行すると、http版とhttps版が重複コンテンツとみなされ、SEOに悪影響を及ぼす可能性があります。
たとえば、httpで運用していたブログ記事に多くの外部リンクがあった場合、リダイレクトを設定していなければ、https版の評価に反映されません。
これを避けるためにも、http→httpsの全URLで301リダイレクトを設定し、統一されたURLでの評価管理を実現することが大切です。
一時的でないコンテンツ移動
あるページの内容を恒久的に別の場所へ移す場合も、301リダイレクトの対象になります。
移動先を新しい正式なページとする意思があるなら、302ではなく301を使うのが適切です。
たとえば、旧サービス紹介ページを統合ページや新商品ページに移すケースでは、もとのURLにアクセスするユーザーや検索エンジンに対し「この先が正式な場所です」と明示する必要があります。
301を使えば、旧ページの評価を新しいページへ正しく引き継ぐことができ、SEO的にも評価が継続されます。
一方、302リダイレクトを使ってしまうと、検索エンジンは「一時的な転送」と判断し、旧URLのインデックスを維持し続けることがあります。
これでは新しいページがいつまでも正しく評価されず、流入の機会を逃すことにもつながりかねません。
URLの移動が一時的でないと判断できる場合は、迷わず301を選ぶべきです。
301リダイレクトの具体的な設定方法
301リダイレクトは、正しく設定しないとユーザーの転送やSEO評価に影響を与える可能性があります。
そのため、使っているCMSやサーバー環境に応じた方法を選び、確実に動作するように実装することが重要です。
静的サイトでは.htaccessファイルにコードを追記する方法が多く用いられます。
WordPressを使用している場合は、専用のプラグインを使うことで設定が簡単になります。
さらに、共用サーバーと専用サーバーでは設定の可否や操作方法にも違いがあるため、環境に合わせた対応が求められます。
以下に、代表的な方法ごとの設定ポイントを解説します。
301リダイレクトhtaccessの書き方(サンプルコードあり)
Apacheサーバーを利用している静的サイトでは、.htaccessファイルを使って301リダイレクトを設定するのが一般的です。
このファイルはサーバーの動作を制御する設定ファイルで、リダイレクトの制御も直接行えます。
基本的な書き方は以下の通りです。
この記述は、https://example.com/old-pageへのアクセスを、https://example.com/new-pageに恒久的に転送する命令です。
ドメインをまたぐ転送や複雑な条件分岐を設定したい場合には、mod_rewriteを使う方法もあります。
RewriteEngine On
RewriteRule ^old-page$ https://example.com/new-page [R=301,L]
ファイルの編集はFTPやサーバー管理画面から行いますが、誤った記述をするとサイト全体に影響が出ることがあるため、バックアップを取ってから操作することをおすすめします。
WordPressプラグイン(Redirectionなど)の使い方
WordPressサイトでは、コードを触らずに301リダイレクトを設定できるプラグインが多数提供されています。
中でも代表的なのが「Redirection」です。
Redirectionは、管理画面から簡単にリダイレクト設定を追加・管理できる無料プラグインです。
特定のURLにアクセスされた際に、任意のURLへ転送する設定をGUIで行えるため、初心者でも安心して使えます。
基本的な使い方は以下の通りです。
- プラグインをインストール・有効化する
- 「ツール」→「Redirection」へアクセス
- 「ソースURL」と「ターゲットURL」を入力
- タイプとして「301」を選択し保存
必要に応じて、条件分岐や正規表現を用いたリダイレクト設定も可能です。
テーマやfunctions.phpを編集する必要がないため、保守性の高い方法として広く使われています。
サーバーごとの設定注意点(共用/専用の違い)
301リダイレクトの設定方法は、使っているサーバーの種類によって少しずつ異なります。
特に「共用サーバー」と「専用サーバー」では、設定できる範囲や手順が変わってくるため、事前に使える機能をきちんと確認することが大切です。
共用サーバーの場合は、安全性の観点から、.htaccessファイルの一部機能が使えないことがあります。代わりに、レンタルサーバーの管理画面(コントロールパネル)からリダイレクトを設定する仕組みになっていることが多いです。
このため、どの方法が使えるのかをマニュアルやサポートで確認してから作業を進めるのがおすすめです。
一方で、専用サーバーやVPS(仮想専用サーバー)では、より自由に設定できる環境が整っており、.htaccessだけでなく、Apacheの設定ファイル(httpd.confなど)を直接編集できるケースもあります。
その分、設定ミスがサイト全体に影響することもあるため、操作前にはバックアップを取り、段階的に確認しながら進めることが大切です。
設定ミスを防ぐ!301リダイレクト実装時の注意点
301リダイレクトは、SEO評価やユーザー体験を守るうえで欠かせない仕組みですが、設定をひとつ間違えるだけで、検索順位の低下やアクセス減少を招くリスクもあります。
特に注意すべきなのは、「不適切な転送先の設定」や「関連ファイルの更新漏れ」「内部リンクの放置」といった見落とされがちな初歩的ミスです。
また、リダイレクトを一度設定すると、検索エンジン側で評価が切り替わるまでに時間がかかるため、事前の準備と実装後の継続運用が非常に重要になります。
このセクションでは、301リダイレクト導入時によくある落とし穴と、その回避方法を具体的に解説します。
正しい知識と段取りをもって実装すれば、SEO資産をしっかり守りながら、安全にURLを移行することが可能です。
適切な遷移先にリダイレクトする
301リダイレクトを設定する際は、移動元のコンテンツと関連性の高い遷移先を選ぶことが重要です。
関係のないページへ転送してしまうと、ユーザーの期待を裏切るだけでなく、検索エンジンにもマイナス評価を与える可能性があります。
たとえば、「製品Aの詳細ページ」を削除して「製品Bの紹介ページ」にリダイレクトした場合、内容の関連性が薄いと判断され、リダイレクトの効果が失われることもあります。
このような場合は、カテゴリーページや関連製品の一覧ページに転送する方が自然です。
また、意図的に不正確な転送を行うと、検索エンジンからスパムとみなされるリスクもあるため注意が必要です。
リダイレクトは“近い目的のページへ案内する”という意識を持って設定することが大切です。
内部リンク・canonicalタグの更新を忘れずに
301リダイレクトを設定しても、サイト内の内部リンクやcanonicalタグが旧URLのままでは効果が十分に発揮されません。
特に検索エンジンは、ページ同士のリンク構造を重視して評価するため、リンク先の整合性がSEOに直結します。
内部リンクが旧URLを指したままだと、クローラーがリダイレクトを繰り返し処理することになり、クロール効率が下がります。
また、ユーザーがページ内のリンクをクリックした際に、一度リダイレクトを経由することで読み込み速度や利便性にも影響が出る可能性があります。
さらに、canonicalタグも新しいURLを指定しておかなければ、検索エンジンに「このページが正式な情報源です」と伝える信号がずれてしまい、正しい評価が得られなくなることがあります。
関連記事:SEO内部対策とは?
XMLサイトマップとrobots.txtの確認
301リダイレクトを実装した後は、検索エンジンに正確な情報を伝えるために、XMLサイトマップとrobots.txtの内容も確認する必要があります。
これらのファイルが旧URLを含んだままだと、クローラーに誤解を与える可能性があります。
XMLサイトマップは、検索エンジンにクロールしてほしいURLの一覧を伝える役割を持ちます。
リダイレクト後も旧URLが記載されていると、すでに移動済みのページを何度もクロールされることになり、クロール効率が悪化します。
また、robots.txtに新URLへのアクセス制限が設定されている場合、リダイレクトは機能していても、検索エンジンに正しく認識されないおそれがあります。
最新のURL構成に合わせて、両ファイルの内容を見直すことが大切です。
関連記事:サイトマップとは?
設定後も一定期間は継続する
301リダイレクトは、一度設定すれば完了というわけではなく、一定期間の維持が必要です。
GoogleのGary Illyes氏は、「301リダイレクトは最低でも1年間は維持すべき」と明言しており、これはインデックス移行や外部リンク評価の再クロールに時間がかかるためです。
特にドメイン変更や大規模なURL構造の変更時は、評価の完全な移行には長期間かかる可能性があるため、可能であれば恒久的な維持が安全策とされます。
また、ユーザー体験の観点でも、旧URLをブックマークしているユーザーや、検索結果から流入する訪問者が存在する限り、301を維持する方が利便性を損ないません。
ただし、リダイレクトによる遅延を避けるため、内部リンクや主要な外部リンクはできるだけ新URLへ直接差し替えることが推奨されます。
参考:Google Says Redirects Signals Stick With Destination URL After A Year
301リダイレクトの確認方法と無料ツール紹介
301リダイレクトを設定したあとは、正しく転送が機能しているかを必ず確認することが大切です。
誤って302リダイレクトになっていたり、meta refreshが使われていた場合、SEO効果が正しく発揮されない恐れがあります。
確認作業には、HTTPステータスコードをチェックできる無料ツールを活用すると便利です。
直感的な操作で、リダイレクトの状態や転送先URLを簡単に把握できます。
以下では、ツールの使い方とチェックすべきポイントを解説します。
ステータスコードチェックツールの使い方
301リダイレクトが正しく設定されているかを確認するには、HTTPステータスコードを調べる専用ツールを使うのが確実です。
今回は初心者でも安心して使える、日本語対応の無料ツール「リダイレクトチェック(ohotuku.jp)」を紹介します。
【使い方】
- サイト上のURL入力欄に、確認したい旧URLを貼り付ける
- 「チェック」ボタンをクリック
- ステータスコードが「301 Moved Permanently」と表示されれば成功
- 転送先のURLが正しいかどうかも併せて確認
このツールは、meta refreshやJavaScriptリダイレクトも検出できるため、意図しない設定ミスにも気づきやすいのが特長です。
確認すべき3つのポイント(コード・リダイレクト元・遷移先)
301リダイレクトを設定した後は、「正しい形でリダイレクトされているか」を具体的にチェックすることが重要です。
単に転送されるだけでは不十分で、検索エンジンが意図通りに認識しているかどうかが成果を左右します。
確認すべき基本のポイントは以下の3つです。
- ステータスコードが「301」になっているか
→「302」や「meta refresh」になっていないかを必ず確認します。 - リダイレクト元のURLが正しく入力されているか
→URLにタイプミスがあると意図した転送が行われません。 - リダイレクト先のURLが意図通りか
→関係のないページや404ページに飛んでいないかを確認します。
この3点を押さえておくことで、SEO上の評価損失やユーザー離脱を防ぐことができます。
よくあるトラブルとその回避策
301リダイレクトは便利な反面、設定方法を誤ると意図しない動作やトラブルを引き起こすことがあります。
特に注意が必要なのは、リダイレクトループやリダイレクトチェーン、そして404エラーです。
こうした問題が発生すると、ユーザー体験が大きく損なわれるだけでなく、検索エンジンにも悪影響を与える可能性があります。
SEO効果を活かすどころか、逆に評価を落とすリスクにもなりかねません。
この章では、リダイレクトに関する代表的なトラブルと、その原因・対策について解説します。
事前に知っておくことで、設定ミスを防ぎ、安定したサイト運用につなげましょう。
リダイレクトループとチェーンの防ぎ方
301リダイレクトを設定する際、特に注意したいのがリダイレクトループとリダイレクトチェーンです。
これらは、ユーザー体験の低下やSEO評価の損失につながるため、あらかじめ仕組みを理解して防ぐ必要があります。
【防ぎ方のポイント】
- リダイレクト先は最終的なURLに直接設定する
- 不要な中継ページは挟まない
- 設定後はチェックツールで転送経路を必ず確認する
ループを避け、転送は1ステップで完結させることが基本です。
404エラーになる原因と対応方法
301リダイレクトを設定したにもかかわらず、転送先で404エラー(ページが見つかりません)が表示されるケースは少なくありません。
この状態が続くと、ユーザーの離脱だけでなく、SEO上の評価低下にもつながります。
404エラーの主な原因は以下の通りです。
- リダイレクト先のURLが存在しない
→削除済みのページやタイプミスによる設定ミスが多い - サーバー側の設定が反映されていない
→キャッシュの影響や、設定ファイルの読み込みミス - 一時的な接続障害
→一過性のトラブルであっても、繰り返すと検索エンジンに悪影響を与える
【対応方法】
- 設定したリダイレクト先URLが正しく存在しているかを確認
- 設定ファイルやプラグインの反映状況を管理画面やFTPでチェック
- キャッシュをクリアして再チェック
- Google Search Consoleで404エラーの発生状況をモニタリングし、修正後に「修正を検証」機能で対応状況を通知
404エラーは早期対応が重要です。見つけたらすぐに修正を行いましょう。
まとめ|301リダイレクトはSEOの土台を守る重要設定
301リダイレクトは、URLが恒久的に変更される場面で、SEO評価やユーザー体験を損なわずに移行を実現するための基本的かつ重要な仕組みです。
ドメイン変更やURL構造の見直し、SSL化対応など、さまざまなケースで導入され、検索エンジンとユーザーの両方に「新しいページが正式な移転先である」ことを正しく伝える役割を果たします。
特に注意したいのは、「302との正しい使い分け」と「設定ミスの回避」です。
関連性のないページへの転送、リダイレクトループ、canonicalタグの更新漏れなど、よくあるミスはSEOに悪影響を与える原因となります。
また、meta refreshやJavaScriptによるリダイレクトは評価が不安定なため、基本的には301を選ぶのが望ましいとされています。
設定後も定期的に動作確認を行い、Search Consoleなどを活用してエラーの検出・修正を継続することが大切です。
301リダイレクトは「設定して終わり」ではなく、SEO戦略全体の中で管理・改善していくべき項目のひとつです。
リダイレクトを適切に設計・運用することで、検索順位の維持や信頼性の確保、スムーズなユーザー誘導につなげていきましょう。
よくある質問(FAQ)
-
301リダイレクトの効果はいつからSEOに反映されますか?
設定自体は即時に反映されますが、検索順位やインデックス更新に反映されるまでには数日〜数週間かかることが一般的です。
Googleのクロールタイミングやサイトの規模によっても変動します。 -
検索順位が下がった場合、301リダイレクトが原因ですか?
一時的な順位変動はよくあることです。
ただし、リダイレクト先の関連性が低い・リンク構造の更新が不完全・チェーンやループが起きているなどの設定ミスがあると、影響が長引く可能性があります。
Search Consoleで状況を確認しましょう。 -
301リダイレクトを使うと、被リンク効果も引き継がれますか?
はい、基本的には引き継がれます。
ただし、転送先が関係の薄いページだった場合や、リダイレクトチェーンがあると効果が減少する可能性もあるため、構造はなるべくシンプルかつ自然に設計しましょう。 -
WordPressで301リダイレクトを簡単に管理する方法は?
初心者には「Redirection」プラグインが最適です。
管理画面からコード不要でリダイレクト設定ができ、ログも確認可能です。 -
Googleはmeta refreshやJavaScriptによるリダイレクトも評価する?
はい、適切に実装されていれば評価は引き継がれる場合がありますが、条件やリスクを理解して使うことが重要です。
まず、meta refreshについては、Googleが「即時(0秒)での実行であれば恒久的なリダイレクトとして扱う可能性がある」としています。
ただし、数秒後に遷移する設定では302リダイレクトに近い扱いとなることがあり、検索評価の移行が確実とは限りません。一方で、JavaScriptによるリダイレクトもGoogleは対応可能ですが、GooglebotがページのJavaScriptを正しくレンダリングできることが前提です。
JavaScriptの読み込みに失敗した場合や、動的なタイミングで実行されるスクリプトでは、リダイレクトが検知されないケースもあるため注意が必要です。そのため、Googleは公式に「恒久的なURL変更にはサーバーサイドでの301リダイレクトを推奨」しており、metaやJSはあくまで制限環境下の代替手段と考えるのが安全です。
-
meta refreshは301リダイレクトの代用になりますか?
0秒のmeta refreshなら、基本的に301リダイレクトと同等の恒久的リダイレクトと見なされるため、代用として機能します。
ただし、数秒の遅延がある場合は一時的な302相当として処理されるため注意が必要です。
また、ユーザー体験や確実性の観点からも、サーバーサイドでの301リダイレクトの方が信頼性が高く推奨されます。
meta refreshは限定的な状況での一時的措置としての使用が適切です。
記事の著者

吉村 健太朗
シンクション株式会社 代表取締役
資格景表法特商法遵守 個人認証(KTAA)
薬機法医療法遵守 個人認証(YAMM)
Google広告「検索広告」認定資格
Googleアナリティクス個人認定資格
奈良でWEBマーケティングとWEB制作に特化した「ツナガル」を運営しています。私のWEBキャリアは2012年、副業でアフィリエイトを始めたことがきっかけでした。
3か月で月10万円を達成したものの、その後思い通りに成果が伸びず挫折を経験。これが、私とWEB業界の出発点となりました。
その後、営業を経験し、2020年には本格的にWEBの世界へ。現在では、地域に特化したキーワード戦略により300以上の上位表示を実現し、SEO対策マニュアルでは検索順位2位を獲得しています。
お客様と共に課題を乗り越え、成果を共に喜び合うことが私のモチベーションです。WEBに関することならどんなご相談でもお気軽にお声がけください。
・URL変更やページ構成の整理で、SEOに悪影響が出ないか心配
・301リダイレクトの設定が本当に正しくできるか不安
・移行後も検索順位や流入をキープしたいけれど、自信がない
そんなときは、一人で抱え込まずに、専門家の力を借りてみませんか?
リニューアル前の設計段階からSEO視点で丁寧にサポートいたします。
不安を解消し、安心してリニューアルを進められるよう、まずは一度ご相談ください。