Webサイトの安全性を高めると同時に、検索エンジンからの信頼性を向上させる手段として「SSL化(HTTPS対応)」は広く注目されています。
GoogleはHTTPSを検索順位の要因と明示しており、未対応のままでは表示順位やクリック率に影響することもあります。
また、SSL化によってセキュリティ警告を回避できるため、ユーザーの離脱防止やコンバージョン改善にもつながる可能性があります。
とはいえ、単にSSL証明書を導入するだけでは十分とは言えません。正しい手順と設定を踏まえた対応が不可欠です。
本記事では、SSL化による効果から、実施時に注意すべき技術的ポイント、SEOとの関係までを体系的に解説しています。
これからHTTPS対応を進める方や、対応済みでも見直しを検討している方にとって、チェックリストとしても活用いただける内容です。
・SSL証明書の選び方が分からない
・HTTPSにしたら順位が下がるのではと心配
・設定ミスでトラブルにならないか不安
そんなときは、プロに相談してみるという選択肢もあります。
シンクションでは、SSL化の導入からSEOへの影響を考慮した運用まで、経験豊富な専門家が丁寧に対応いたします。
目次
SSL化とは
SSL化とは、Webサイトとユーザー間の通信内容を暗号化し、第三者による盗聴や改ざんを防ぐ仕組みです。
SSL(Secure Sockets Layer)またはその後継のTLSを用いることで、データの安全な送受信が実現されます。
対応サイトではURLが「https://」に変わり、ブラウザには鍵マークが表示されます。
この視覚的なサインによって、ユーザーは個人情報を安心して送信しやすくなります。
もともとは決済ページやログインフォームなどの保護が目的でしたが、現在ではあらゆるWebサイトでのSSL化が推奨されています。
通信の安全性に加え、サイトの信頼性や運営者の姿勢を示す指標としても評価されるようになっています。
HTTPSとHTTPの違いと仕組み
httpのイメージ
httpsのイメージ
HTTPとHTTPSの最大の違いは、通信が暗号化されているかどうかです。
HTTP(Hypertext Transfer Protocol)は、Web上の情報をやりとりする基本的な通信プロトコルですが、通信内容がそのまま送信されるため盗聴や改ざんのリスクがあります。
一方、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)は、SSL/TLSと呼ばれる暗号技術を組み合わせることで、通信内容を保護します。
ユーザーがWebサイトにアクセスすると、ブラウザとサーバー間で「公開鍵」「秘密鍵」による認証と暗号化が行われ、第三者による傍受や書き換えを防止します。
この暗号化プロセスは数秒以下で完了し、ユーザーの体感速度にはほぼ影響しません。
安全性を確保しながら、快適なブラウジングを実現できるのがHTTPSの強みです。
検索エンジンがHTTPSを推奨する背景
Googleをはじめとする検索エンジンがHTTPSを推奨する理由は、インターネット全体の安全性向上を目指しているためです。
特にGoogleは、2014年にHTTPSを検索ランキング要因の一つとして正式に導入しました。
その背景には、フィッシング詐欺や中間者攻撃といったセキュリティ脅威の増加があります。
HTTPSに対応することで、データの盗聴や改ざんを防ぎ、ユーザーの信頼を守れるサイトを優先的に評価する姿勢が示されました。
また、Chromeブラウザでは、HTTPのままのサイトに対して「保護されていません」という警告を表示する仕様も導入され、ユーザーの意識も高まっています。
このように、安全なWeb体験を提供するサイトほど、検索エンジンからの評価が高まる構造が作られているのです。
サイト評価やユーザー行動への影響
HTTPSに対応することは、検索エンジンの評価だけでなく、ユーザーの行動にも直接的な影響を与えます。
まずSEOの観点では、安全性が確保されたサイトはインデックス精度が高まり、評価の安定化につながるとされています。
一方、ユーザー視点では、HTTPのままだと「保護されていません」という警告表示が心理的な障壁となり、フォーム送信や購入手続きの離脱率が増加する傾向があります。
対してHTTPS対応サイトでは、安心感が高まり、直帰率や離脱率の改善、滞在時間の延長といったポジティブな行動変化が見られます。
つまり、SSL化は単なるセキュリティ対策にとどまらず、検索順位の向上とコンバージョン率の改善の両面に効果がある施策と言えるのです。
HTTPS対応によるSEO効果
SSL化(HTTPS対応)は、Webサイトとユーザー間の通信を暗号化することでセキュリティを強化し、安心して閲覧できる環境を整える施策です。
この対応はSEO(検索エンジン最適化)の観点でも一定の効果があり、Googleは2014年にHTTPSを検索ランキングの要因に追加しました。
もっとも、Googleは当初から「HTTPSは軽微なシグナル」と位置付けており、検索順位への影響は限定的であると明言しています。
ただし、2021年の「Page Experience」アップデートでは、安全なHTTPS接続もユーザー体験の評価要素に組み込まれたことで、今後のSEOにもより広範な影響を及ぼす可能性があります。
加えて、HTTPS対応によりブラウザからの警告が回避され、ユーザーの信頼感が向上することで直帰率の改善やコンバージョン率向上といった副次的効果が期待できます。
このセクションでは、こうしたSEOへの影響を「検索順位」「ユーザー行動」「パフォーマンス最適化」の3つの観点で整理して解説します。
参考:ランキングシグナルとしての HTTPS | Google 検索セントラル
検索順位やインデックス精度の向上
HTTPS対応によって、検索順位がわずかに優遇される可能性があることはGoogleの公式発表でも示されています。
特に同等のコンテンツが存在する場合、HTTPS化されたページが優先的に評価対象となる傾向があります。
また、SSL化により、検索エンジンのクローラーがページを正しくインデックスしやすくなるといった技術的メリットも存在します。
HTTPからHTTPSへ移行する際に適切なリダイレクト設定を行えば、評価の引き継ぎや構造の整理にもつながり、全体のクロール効率が改善されます。
このように、HTTPS化は単なる安全対策ではなく、検索エンジンとの良好なコミュニケーションを築く一手にもなるのです。
関連記事:検索エンジンの仕組みを理解しよう
セキュリティ警告回避による直帰率改善
HTTPのまま運用されているWebサイトでは、ブラウザが「保護されていない通信」や「安全ではありません」などの警告メッセージを表示します。
この表示は、訪問者に不安感を与え、サイトからの即離脱(直帰)を招く要因になりかねません。
一方でHTTPSに対応することで、アドレスバーに鍵マークが表示され、ユーザーに安心感を与える視覚的効果が生まれます。
とくにフォーム入力やECサイトのように、個人情報を扱うページでは信頼の証として直帰率の抑制につながる傾向が見られます。
このように、セキュリティ表示の改善はユーザー体験を向上させる重要な要素であり、結果的にSEOにもプラスに作用する可能性があります。
表示速度向上とパフォーマンス最適化
HTTPSに対応することで、セキュリティ面だけでなくWebサイトの表示速度やパフォーマンスにも良い影響が期待できます。
特に「HTTP/2」に対応することで、複数のファイルを同時に効率よく読み込めるようになり、表示がスムーズになります。
ページの読み込み速度が速いと、ユーザーのストレスが減り、直帰率の改善や回遊率の向上といった行動面にも良い効果が生まれます。
さらに、Googleはページの読み込み速度を検索順位の評価基準のひとつにしているため、パフォーマンスの最適化はSEO対策としても重要です。
SSL化を導入する際は、表示速度や構造の見直しもあわせて行うことで、より質の高いWebサイト運営が可能になります。
SSL化で注意すべきポイント
HTTPSへの移行は、Webサイトの安全性とSEOの両立に有効な施策です。
しかし、導入の過程で見落とされがちな細かな設定ミスや仕様の変化によって、逆に検索順位やアクセス数にマイナスの影響が出る可能性もあります。
SSL化によってURL構造が変わるため、既存の資産やSEO評価を正しく引き継ぐための整理が不可欠です。
さらに、技術的な対応だけでなく、SNSや外部リンクなど、周囲の情報環境への影響も事前に把握しておくことが大切です。
このセクションでは、SSL化を進めるうえで気をつけたい要点を、URLの扱い・リダイレクト処理・SNSとの連携といった観点で整理して解説します。
URLの統一と評価分散の回避
SSL化を行うと、「http://」と「https://」の2つのURLが同時に存在してしまう状態が一時的に発生します。
このまま放置すると、同じ内容のページが複数存在していると検索エンジンに認識され、評価が分散してしまうリスクがあります。
この問題を防ぐには、正規のURLを1つに統一する設定(URL正規化)が重要です。
具体的には、301リダイレクトを使って旧URLから新URLへ確実に誘導することと、canonicalタグで正しいURLを検索エンジンに明示することが基本となります。
また、「wwwあり」と「wwwなし」などのバリエーションも同様に統一しておかないと、被リンク効果や内部リンク評価がばらけてしまうため要注意です。
関連記事:URLの正規化とは?
リダイレクトやURL指定ミスによる影響
SSL化に伴うリダイレクトは、SEO評価の維持に欠かせない工程です。
設定が不適切なままだと、検索エンジンが正しくページを認識できず、インデックス漏れや評価低下を招く可能性があります。
よくあるミスとしては、302リダイレクト(仮の転送)を使ってしまうケースや、リダイレクトループ、.htaccessの記述誤りなどが挙げられます。
これらはSEOだけでなく、ユーザーにとってもページが開けない・何度も転送されるといったストレスの原因になります。
また、特定のページでリダイレクトが設定されていないと、古いURLが残ったまま評価が分散される恐れもあります。
全ページのURLと転送状態を丁寧に確認することが、移行成功のポイントです。
SNSシェアカウントのリセットリスク
SSL化によってURLが「http://」から「https://」に変わると、SNS上のシェア数がリセットされる可能性があります。
TwitterやFacebookなどの一部のプラットフォームでは、URLが少しでも異なれば「別ページ」と認識される仕様のため、過去の共有実績がカウントされなくなることがあります。
これにより、信頼感や人気の指標として見られる「SNSでの反応」が一時的に低下するケースもあります。
特に、シェア数を表示している記事ページやトップページでは注意が必要です。
対策としては、https移行後にシェアカウントを再構築できるツールの活用や、投稿文中に旧URLも記載するなどの工夫が考えられます。
SEO評価には直接影響しないものの、SNSでの拡散力やユーザーの印象に関わる重要なポイントです。
SSL証明書の種類と選び方
SSL証明書の選び方によって、サイトの信頼性や取り扱う情報の保護レベルに違いが生じます。
SSL証明書にはいくつかのタイプがあり、それぞれ認証範囲や利用目的に応じた特徴があります。
特に、個人サイト・ブログから企業のサービスサイトまで、目的に合わせて適切な証明書を選ぶことが大切です。
単に「無料だから」「すぐ使えるから」といった理由だけで判断するのは避けましょう。
このセクションでは、各証明書の分類と特徴を整理しながら、自分のサイトに適した選び方のポイントを解説します。
無料SSLと有料SSLの違いと判断基準
SSL証明書には、無料で利用できるタイプと有料プランがあります。
どちらも通信を暗号化する機能はありますが、信頼性やサポート体制、認証の厳しさに違いがあります。
価格だけで判断せず、用途と必要な信頼レベルをもとに選ぶことが大切です。
ドメイン/企業認証など各種SSLの特徴
SSL証明書は、認証レベルによって3つの種類に分類され、それぞれ信頼性や審査内容が異なります。主な違いは「どこまで運営者の身元を確認するか」という点にあります。
- DV(Domain Validation)証明書:ドメインの所有確認のみ。迅速に発行され、個人サイトや小規模ブログに適しています。
- OV(Organization Validation)証明書:組織の実在確認も含まれ、企業や団体のWebサイトで広く利用されます。
- EV(Extended Validation)証明書:登記情報などを含む厳格な審査が行われる証明書で、主にフィッシング対策や金融・行政分野向けに使われます。
なお、暗号化の強度はDV・OV・EVすべて同等であり、「EVの方が特別に安全」というわけではありません。
かつてはEV証明書で企業名がアドレスバーに表示されていましたが、主要ブラウザ(Chrome・Firefoxなど)では2019年以降この表示は廃止されており、DVとの見た目の差異はなくなっています。
証明書の選定は、サイトの目的や取扱う情報の重要性に応じて「信頼性の証明をどの程度必要とするか」で判断することが大切です。
用途・信頼性に応じた選び方
SSL証明書の選定は、暗号化だけでなく運営者の信頼性をどう示すかが判断基準になります。
特にWebサイトの種類や目的によって、求められる認証レベルや表示形式が異なります。
SSLの各認証タイプは、CA/Browser Forumの国際基準に基づいており、用途に応じた信頼性の確保が設計上の前提となっています。
サイトの目的・利用者層・扱う情報の機密性に応じて、適切な証明書を選ぶことが重要です。
SSL対応時に必要な設定と確認ポイント
SSL化を実施しただけでは、サイト全体が安全かつ正しく運用されているとは限りません。
HTTPSが有効になっていても、評価の引き継ぎやリンク構造、コンテンツの整合性が崩れているとSEOやユーザー体験に悪影響を与える可能性があります。
とくに、技術的な設定の抜けや細かな見落としが、検索順位やページの信頼性に影響することもあるため、導入後のチェックと調整は不可欠です。
また、CMSを使用している場合は、自動設定される項目と手動対応が必要な箇所を正しく見極めることも重要です。
このセクションでは、SSL対応後に確認すべき代表的なポイントを「設定面」「構造面」「CMS側の最適化」といった観点から整理して解説します。
SSL証明書の有効化とサーバー側の設定
SSL化を始めるには、まずサーバー上でSSL証明書を有効にする必要があります。
ほとんどのレンタルサーバーでは、無料SSL(Let’s Encryptなど)の自動設定機能が用意されており、数クリックで導入可能です。
設定後は、対象ドメインでHTTPS通信が利用できる状態になりますが、有効化から反映までに最大数時間かかることがあるため、余裕を持って確認することが推奨されます。
また、有料SSLを導入する場合は、CSR(証明書署名要求)の作成、認証局への申請、証明書のインストールといった追加手順が発生します。
サーバーやプランによって操作画面や必要手順が異なるため、公式マニュアルやサポートの活用も検討すると安心です。
301リダイレクトの確認と設定ミスの防止
SSL対応によりWebサイトのURLは「http://」から「https://」へ変更されます。
そのため、旧URL(http)へのアクセスを新URL(https)へ恒久的に転送する「301リダイレクト」の設定が不可欠です。これを怠ると、SEO評価が分散したり、インデックスが不安定になるリスクがあります。
現在、多くのレンタルサーバーやCMSでは、SSL有効化に伴い301リダイレクトを自動的に設定する機能が備わっていますが、一部の環境では手動での設定が必要です。
設定ミスの代表例としては、302(仮リダイレクト)を使ってしまうことや、リダイレクトループ、特定ページの転送漏れなどが挙げられます。
適切な設定が行われているか確認するには、「リダイレクトチェッカー」などの検証ツールを使い、全ページがHTTPSに301リダイレクトされていることを確認することが重要です。
これにより、検索エンジンへの正しい評価の継承とユーザーのストレス軽減が図れます。
関連記事:301リダイレクトとは?
URLの正規化とリンク統一の確認
SSL化によってURLが変わると、同一コンテンツに対して複数のアクセス経路(http/https、wwwあり/なし)が存在する状態になることがあります。
このまま放置すると、検索エンジンが異なるページとして認識し、SEO評価が分散されるリスクがあります。
これを防ぐためには、URLの正規化(canonical指定)とリダイレクトによる統一対応が必要です。
たとえば、https://example.com と https://www.example.com のようなパターンは、どちらかに明確に一本化する設計が求められます。
加えて、内部リンクやナビゲーションも統一されたURL形式で記述することで、クロールの効率や評価の一貫性を保てます。
とくに大規模サイトでは、ページごとのリンク形式のばらつきが全体の品質に影響を与える可能性があるため要注意です。
関連記事:URLの正規化とは?
混在コンテンツ(HTTPリンク)の修正
SSL対応後に見落としがちなのが、ページ内に残っている「http://」から始まる画像やスクリプト、スタイルシートなどのリンクです。
これらがあると、ブラウザが「このサイトは完全に保護されていません」と警告を表示し、HTTPS通信の信頼性が損なわれます。
このような状態は「混在コンテンツ(Mixed Content)」と呼ばれ、ユーザーの不信感や離脱の原因、SEO評価の低下につながる可能性があります。
とくに外部サービスの埋め込みや古いテンプレートの使用時は注意が必要です。
対応方法としては、HTMLソースやCMSのウィジェット内にあるHTTPリンクを一括で検索・置換したり、ブラウザのデベロッパーツールを使って検出する方法があります。
SSL非対応の外部リソースを使っている場合は、代替サービスの利用やサーバーへのローカル保存を検討する必要があります。
関連記事:SEO内部対策とは?サイト改善に効く25のチェック項目まとめ
CMSや設定ファイルの見直し(WordPressなど)
SSL化を完了した後も、CMSや構成ファイルに旧URL(http)が残っていると、意図しない表示や評価の不整合が起こることがあります。
とくにWordPressなどのCMSでは、「サイトアドレス(URL)」の設定や投稿内リンクの修正が必要です。
また、SEOの観点からは、canonicalタグやXMLサイトマップ、robots.txtなどの設定ファイルにも注目すべきです。
これらがhttpのまま残っていると、検索エンジンが正しいURLを認識できず、評価が正しく反映されない可能性があります。
CMSごとに対応方法は異なりますが、以下のような項目を確認するとよいでしょう。
関連記事:パーマリンクとは? WordPressの設定方法とSEOへの影響・変更時の注意点を解説
SSL移行後に必要なSEO設定
HTTPS化が完了しても、SEOの評価を正しく引き継ぐには追加の設定が必要です。
管理ツールや構成ファイルに旧URLが残っていると、インデックスの混乱や評価の低下を招くおそれがあります。
Googleツールの再設定、SEOタグやファイルの修正、リンクやリダイレクトの確認など、移行後に見直すべきポイントを整理して解説します。
Search ConsoleでのHTTPSプロパティ登録
SSL化によってWebサイトのURLが「http://」から「https://」に変わると、Google Search Consoleでは別のサイトとして認識されるため、HTTPS版のプロパティを新たに登録する必要があります。
これは旧URLとは別に評価・管理される仕組みとなっているためです。
登録手順は簡単で、「プロパティを追加」からHTTPSのURLを入力し、ドメインプロパティまたはURLプレフィックス形式で所有権を確認すれば完了します。
あわせて、HTTPS版のサイトマップを送信し、クロールの促進を図りましょう。
なお、HTTP→HTTPSの変更はSearch Consoleの「アドレス変更ツール」の対象外です。
そのため手動で設定する必要があります。
また、移行直後は旧HTTP版プロパティも残してクロールエラーなどをモニタリングすると安心です。
これらの手順を通じて、HTTPS移行後のインデックス管理が安定し、検索パフォーマンスの維持・向上に役立ちます。
関連記事:Googleサーチコンソールの使い方
GA4のデータ確認と移行後の設定確認
SSL化によってURLが変更されても、GA4(Googleアナリティクス4)は計測自体に支障はありません。
ただし、レポート上で「http」と「https」が別URLとして記録される場合があるため、移行後の確認が重要です。
まずは、GA4の「ページとスクリーン」レポートや「参照元」レポートを確認し、http:// が残っていないかをチェックします。
また、トラッキングコードがhttps化された全ページに正しく埋め込まれているかも必ず確認しておきましょう。
あわせて、Googleタグマネージャーを使用している場合は、すべての設定がHTTPS上で動作しているか、プレビューモードで検証することをおすすめします。
これらを見直すことで、移行後のデータ精度を保ちつつ、ユーザー行動の変化も正しく捉えられるようになります。
canonicalタグのURL変更と反映確認
HTTPSへの移行後は、すべてのページのcanonicalタグが「https://〜」で始まる正規のURLを指しているかを確認することが不可欠です。
canonicalタグは、複数のURLが存在する場合に「どのURLを検索エンジンに優先的に評価してほしいか」を伝える重要な指示です。
もし旧URL(http://)がcanonicalに残っていると、検索エンジンが意図しないURLを正規と判断し、SEO評価が分散する原因となります。
特に、「https://example.com」と「https://www.example.com」のように微妙な違いでも、別ページとみなされてしまう可能性があります。
CMSを使用している場合は、テーマやSEO系プラグインによってcanonicalタグの生成方式が異なるため、HTMLソースを直接確認するか、設定画面での一括確認を行いましょう。
Google Search Consoleの「URL検査ツール」を使えば、Googleが認識している正規URLもチェックできます。
関連記事:URLの正規化とは?SEO効果を損なわないための基本設定と見直しポイント
サイトマップのHTTPS対応チェック
HTTPS化を完了したら、サイトマップ(XMLファイル)内のすべてのURLが「https://」に統一されているかを必ず確認しましょう。
httpのままのURLが含まれていると、Googleなどの検索エンジンが正しくクロール・インデックスできず、SEO評価が分散するリスクがあります。
特にWordPressのようなCMSや、外部のサイトマップ生成ツールを使っている場合は、自動的にhttpのまま出力されることがあるため注意が必要です。
まずはXMLサイトマップを開いてURLを目視確認し、必要に応じて手動で修正、またはプラグイン設定を見直しましょう。
HTTPS版のサイトマップは、Search Console上で改めて送信する必要があります。
あわせて「送信されたURL」と「インデックスされたURL」に差がないかを確認し、「除外」や「インデックス未登録」の原因を調査しましょう。
サイトマップは検索エンジンに対する設計図のような存在であるため、構成全体の見直しと併せて、移行後に必ず対応してください。
robots.txtのURL記述ミス確認
HTTPS移行後は、robots.txtファイルの記述内容が新しいHTTPS環境に適合しているかを必ず確認してください。
このファイルは、検索エンジンのクローラーに対して「どのページをクロールしてよいか/禁止するか」を指示する重要な設定ファイルです。
もし旧URL(http://)ベースの構成を残したままだと、クロールが制限されたり、重要ページがインデックスされない可能性があります。
とくに「Disallow」や「Allow」で意図せず必要なパスをブロックしていたり、CSS・JavaScriptファイルなどの読み込みが遮断されていると、ページの表示や評価に悪影響が出ることもあります。
Search Consoleの「robots.txtテスター」を活用すれば、各記述が正しく機能しているかをシミュレーションできます。
すべてのリソースがGooglebotから適切にアクセス可能かどうかを確認することが、HTTPS移行後の健全な運用に直結します。
内部リンクの統一チェック
HTTPS移行後は、robots.txtファイルの記述内容が新しいHTTPS環境に適合しているかを必ず確認してください。
このファイルは、検索エンジンのクローラーに対して「どのページをクロールしてよいか/禁止するか」を指示する重要な設定ファイルです。
もし旧URL(http://)ベースの構成を残したままだと、クロールが制限されたり、重要ページがインデックスされない可能性があります。
とくに「Disallow」や「Allow」で意図せず必要なパスをブロックしていたり、CSS・JavaScriptファイルなどの読み込みが遮断されていると、ページの表示や評価に悪影響が出ることもあります。
Search Consoleの「robots.txtテスター」を活用すれば、各記述が正しく機能しているかをシミュレーションできます。
すべてのリソースがGooglebotから適切にアクセス可能かどうかを確認することが、HTTPS移行後の健全な運用に直結します。
関連記事:SEOに強い内部リンク設計とは?
リダイレクト設定の再確認と最終テスト
SSL化の最終工程として、リダイレクト設定が意図どおりにすべて正しく機能しているかを必ず検証しましょう。
特にHTTPからHTTPSへの転送、wwwの有無、301ステータスコードの適用可否などはSEOに大きく影響します。
設定に誤りがあると、評価が引き継がれず検索順位が低下したり、リダイレクトループによるユーザー離脱を招く恐れがあります。
301(恒久的な転送)を使用しているか、302(仮転送)になっていないかを確認することも忘れずに行いましょう。
検証には「リダイレクトチェッカー」「Search Console」などのツールを使い、すべてのアクセス経路がHTTPSに統一されていることを確認することが重要です。
また、「wwwあり・なし」のバリエーションも1つに統一し、評価の分散を防ぎましょう。
リダイレクト設定の完成度は、ユーザー体験と検索エンジン双方に影響します。
導入完了後こそ、慎重な最終チェックを行いましょう。
SSL化実施時の確認リスト
SSL対応を実施する際は、各フェーズでの注意点を整理し、ミスなく対応することが重要です。
以下に、実施前後の代表的なチェック項目をまとめました。
関連記事:SEO内部対策とは?サイト改善に効く25のチェック項目まとめ
まとめ:HTTPS移行でSEOと安全性の両立を実現する
SSL化(HTTPS対応)は、Webサイトの通信を安全に保つだけでなく、検索エンジンからの信頼性やユーザーの安心感を高める効果も期待できます。
導入により、ブラウザの警告表示を回避し、直帰率の改善やコンバージョンの向上といったユーザー行動の変化にもつながります。
一方で、実装の過程ではURLの統一やリダイレクト設定、管理ツールや構成ファイルの調整など、いくつかの技術的な確認が必要です。
設定の不備があるとSEO評価が不安定になることもあるため、各工程での確認と対応が重要になります。
本記事で紹介した各ポイントを順に確認することで、安定したHTTPS移行とその後の運用が可能になります。
検索順位やユーザー体験の向上を目指すうえでも、計画的なSSL対応を進めていきましょう。
記事の著者

吉村 健太朗
シンクション株式会社 代表取締役
資格景表法特商法遵守 個人認証(KTAA)
薬機法医療法遵守 個人認証(YAMM)
Google広告「検索広告」認定資格
Googleアナリティクス個人認定資格
奈良でWEBマーケティングとWEB制作に特化した「ツナガル」を運営しています。私のWEBキャリアは2012年、副業でアフィリエイトを始めたことがきっかけでした。
3か月で月10万円を達成したものの、その後思い通りに成果が伸びず挫折を経験。これが、私とWEB業界の出発点となりました。
その後、営業を経験し、2020年には本格的にWEBの世界へ。現在では、地域に特化したキーワード戦略により300以上の上位表示を実現し、SEO対策マニュアルでは検索順位2位を獲得しています。
お客様と共に課題を乗り越え、成果を共に喜び合うことが私のモチベーションです。WEBに関することならどんなご相談でもお気軽にお声がけください。
・SSL証明書の選び方が分からない
・HTTPSにしたら順位が下がるのではと心配
・設定ミスでトラブルにならないか不安
そんなときは、プロに相談してみるという選択肢もあります。
シンクションでは、SSL化の導入からSEOへの影響を考慮した運用まで、経験豊富な専門家が丁寧に対応いたします。