第6章 より深くSEO対策を学ぶ

URLの正規化とは?SEO効果を損なわないための基本設定と見直しポイント

最終更新日:2025年5月28日

URLがわずかに異なるだけで、検索エンジンに別ページとして認識され、SEO評価が分散してしまうことがあります。

 

このような評価の分散を防ぐために重要なのが「URLの正規化」です。

 

SEO評価を安定させるためには、評価対象となるURLを明確にし、検索エンジンに正しく伝えることが大切です。

 

この記事では、URLの正規化に関する基本知識から設定方法、確認のポイント、実務に役立つチェックリストまでを丁寧に解説します。

 

検索評価の取りこぼしを防ぐためにも、まずは自社サイトのURL構成を見直すことから始めましょう。

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URLの正規化とは

URLの正規化とは、同一の内容を持つ複数のURLを、検索エンジンが1つの正規URLとして認識できるように統一することです。


目的は、SEO評価が分散するのを防ぎ、検索エンジンに正しく評価される状態を維持することにあります。

 

たとえば、https://example.comhttps://www.example.com のように見た目が少し違うだけのURLでも、検索エンジンは別ページと判断する可能性があります。


その結果、ページ評価や被リンクの効果が分散し、検索順位に悪影響を及ぼすこともあります。

 

このような評価の分散を防ぎ、サイト全体のSEO効果を高めるために正規化は重要です。


検索エンジンにとっても、URL構造が明確であればクローリングやインデックスの処理が効率化され、最終的にユーザーにも良い影響を与えます。

検索エンジンに正しく評価されるための前提知識

検索エンジンは、「クローラー」と呼ばれる自動プログラムがWebサイトを巡回し、情報を収集してインデックス登録を行います。

 

Googleはこの過程で、評価指標となるリンクやコンテンツ情報をURL単位で管理するため、同一内容が複数URLに分散して存在する場合、それぞれを別ページとして扱う恐れがあります。

 

これにより、評価が分散し、検索順位に悪影響を及ぼすことがあります。

 

たとえば、https://example.com/pagehttps://example.com/page/ のように、末尾のスラッシュの有無だけでも別URLと認識されることがあります。


これが評価の分散を招く原因となります。

 

また、検索エンジンはユーザーの利便性を重視しており、評価の一元化されたコンテンツを優先的に上位表示する傾向があります。


そのため、意図した評価を受けるには、URLの正規化を事前に行うことが前提となります。

 

正しいURLが明確であれば、被リンクの効果やクリック率などの評価指標が集中し、検索結果に安定して表示されやすくなるというメリットも得られます。

 

関連記事:検索エンジンの仕組みとは?

正規化が必要な理由

検索エンジンに正しく評価されるためには、同一コンテンツを持つ複数のURLを一つにまとめる「正規化」が不可欠です

 

正規化を怠ると、意図しない評価の低下やデータ分析の誤差など、サイト運用において様々な悪影響が生じます。

 

ここでは、正規化がなぜ重要なのか、4つの観点から詳しく解説します。

重複コンテンツとみなされるリスク

Googleは「同一または類似するコンテンツが複数存在する場合、それ自体がスパムポリシー違反となるわけではないが、ユーザー体験を損ねる可能性がある」としています。

 

実際、Googleは重複コンテンツがあっても直ちにペナルティを課すわけではなく、自動的に正規ページを選定することでインデックス効率の改善を図ると説明しています。

 

たとえば、以下のようなURLがそれぞれインデックスされていた場合、内容が同じであっても、検索エンジンには個別のページとして扱われます。

 

  • https://example.com/price

  • https://www.example.com/price/

  • https://example.com/price/index.html

 

このような状態では、検索エンジンが正規のURLを特定できず、評価が分散されるだけでなく、インデックス除外や順位低下の原因にもなります。

 

特に、CMSやパラメータ付きURL、外部メディアでの引用などが多いサイトでは、意図せず重複が発生することもあります。


そのため、canonicalタグの設置やリダイレクト設定などで、検索エンジンに「どのURLを評価すべきか」を明示することが重要です。

 

重複と判断されないためにも、正規化はコンテンツの品質維持にも直結する基本施策といえます。

 

関連記事:SEOにおける重複コンテンツの危険性と対策

評価の分散による検索順位への影響

Googleはページの評価において、外部リンクやクリック率、滞在時間などさまざまなシグナルを参考にしていますが、それらが複数のURLに分かれると、評価が十分に蓄積されません。

 

たとえば、あるブログ記事が以下のようなURLで共有・リンクされた場合、それぞれに被リンクが分散されてしまいます。

 

  • https://example.com/blog/seo

  • https://www.example.com/blog/seo

  • https://example.com/blog/seo?ref=twitter

 

このような状態では、本来1つのURLに集まるべきSEO評価が複数に分かれてしまい、検索結果において優位性を失うことになります。

 

特に競合が強いキーワード領域では、評価の集中が検索順位を左右する重要な要素となります。


URLの統一によって評価を一本化することは、コンテンツの力を最大限に引き出すための基本戦略といえるでしょう。

 

また、E-E-A-T(専門性・経験・権威性・信頼性)の観点からも、評価の集約はサイト全体の信頼性向上に寄与します。


URLの正規化を通じて、評価の「取りこぼし」を防ぎ、検索順位の安定化を図ることが可能になります。

 

関連記事:E-E-A-Tとは?

クローラーの巡回効率の低下

GoogleのJohn Mueller氏は「クローラーのリソースは無限ではなく、効率のよいURL構造が重要である」と述べています。

 

実際、Googleでは各サイトごとに「クロールバジェット(巡回予算)」が設定されており、URLの重複が多いと無駄な巡回が発生し、重要な新規・更新ページのインデックスが遅れるリスクがあります。

 

たとえば、https://example.com/pagehttps://example.com/page/ のように末尾スラッシュの違いだけでも、Googlebotは別ページと認識し、それぞれを処理してしまいます。

 

こうした非効率を防ぐためにも、URLの正規化によって構造を明確に保つことが重要です。特に大規模サイトやECサイトでは、巡回効率の改善がインデックス速度とSEO成果に直結します。

 

関連記事:クロールとは? 検索エンジンの基礎知識

参考:Search Engine Journal

アクセス解析の精度への影響

Google Analyticsなどのツールでは、URLが1文字でも違えば別のページとしてカウントされるため、セッション・ページビュー・コンバージョン率といった指標が分散してしまいます。

 

たとえば、以下のようなURLがそれぞれアクセスされていた場合、同じ内容のページでも別々の計測対象となります。

 

  • /company

  • /company/

  • /company?utm_source=twitter

 

このような状態では、どのページが成果に貢献したのか、どの経路が有効だったのかを正しく分析できません。


改善施策の判断を誤る原因にもなりかねないため、URLの統一は非常に重要です。

 

また、社内レポートやクライアント向け報告の場面でも、URLのばらつきは信頼性の低下につながります。


URL正規化によってデータが一元化されれば、ユーザー行動の傾向を正確に把握でき、改善施策の立案にも大きく役立ちます。

 

マーケティング活動を継続的に改善していくためには、URLの正規化を「技術対策」ではなく「分析基盤の整備」として捉えることが大切です。

 

関連記事:

グーグルアナリティクス(GA4)の導入方法

グーグルアナリティクス(GA4)の見方

正規化が必要となるURLの例

URLの正規化が重要である理由を理解したら、次に気をつけたいのが「どのようなURLが正規化の対象になるのか」という具体的なケースです。


実は、意図せず異なるURLが生成される場面は、日常のサイト運用の中に数多く存在しています。

 

たとえば、末尾の「index.html」や「/(スラッシュ)」の違いだけでも、検索エンジンには別ページとして認識されることがあります。


また、httpとhttpsの混在や、wwwの有無など、技術的な構成によっても重複URLが発生します。

 

さらに、パラメータ付きURLやスマートフォン・AMPページのような特別なURLバリエーションも、正規化を怠ると評価の分散を招く要因となります。

 

ここでは、よくある7つのパターンに分けて、正規化が必要なURLの具体例を確認していきましょう。


自社サイトにも該当するケースがないか、ひとつずつチェックすることが大切です。

 

参考:Google公式 | 重複URLの統合と正規化

index.htmlの有無

同じディレクトリにおいて「index.html」の有無によってURLが異なる場合、検索エンジンは別ページとして認識する可能性があります。

 

たとえば、以下の2つはユーザーにとっては同じページに見えますが、検索エンジンには個別のURLとして扱われます。

 

  • https://example.com/service

  • https://example.com/service/index.html

 

このような状態では、被リンクや評価が分散するリスクが生じ、意図しないURLが検索結果に表示されてしまうこともあります。


また、アクセス解析においても2つのURLが別ページとして記録され、正確な分析が困難になります。

 

対応方法としては、301リダイレクトを使って「index.html」付きのURLを省略形に統一するのが一般的です。


さらに、canonicalタグで評価対象のURLを明示しておくことで、検索エンジンに正しい意図を伝えることができます。

 

index.htmlの有無は地味な違いに見えますが、SEOと運用の両面で無視できない影響を与える要素です。

wwwの有無

「www」ありとなしでは、URLが異なるものとして扱われ、正規化しないとSEO評価が分散してしまいます。


たとえば、次の2つのURLは見た目は似ていても、検索エンジンには別のページと判断されます。

 

  • https://example.com

  • https://www.example.com

 

この状態を放置すると、被リンクやアクセス履歴が2つに分かれ、検索順位に悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

対策としては、どちらか一方に統一し、301リダイレクトで片方に集約するのが基本です。


Googleも、明確に「統一されたURL構成が望ましい」と公式に述べています。

 

なお、wwwの有無自体にはSEO上の優劣はないため、選択は自由です。


大切なのは「一貫性をもって運用し、評価を集中させること」です。

 

関連記事:301リダイレクトとは?設定方法まで解説

httpとhttpsの混在

httpとhttpsが混在していると、同じ内容でも別のURLと認識され、評価が分散してしまいます。


たとえば、以下の2つはどちらも同じページに見えますが、検索エンジンには異なるページとして処理されます。

 

  • http://example.com

  • https://example.com

現在では、多くのサイトがSSL対応を行い、https化が標準となっています。


しかし、過去の被リンクや古い内部リンクがhttpのまま残っていると、ユーザーやクローラーがhttp版にアクセスすることがあり、SEO効果が分散してしまいます。

 

また、httpとhttpsのどちらもインデックスされていると、重複コンテンツと判断されるリスクも高まります。

 

この問題を防ぐには、httpからhttpsへの301リダイレクトを必ず設定し、すべてのアクセスをhttpsに統一することが重要です。

 

さらに、canonicalタグやSearch Consoleでhttpsを正規のURLとして設定しておくと安心です。

 

セキュリティだけでなく、検索順位の安定にもつながるため、httpとhttpsの混在は早期に解消すべき課題です。

URL末尾のスラッシュ有無

URLの末尾にスラッシュ(/)があるかないかだけでも、検索エンジンは別のURLとして認識します。


たとえば、以下の2つは見た目がほぼ同じですが、技術的には異なるリソースとして処理される可能性があります。

 

  • https://example.com/service

  • https://example.com/service/

 

この違いを放置すると、どちらのURLが正規か判断できず、評価が分散したり重複コンテンツとして扱われたりするリスクがあります。

 

また、内部リンクの記述が統一されていないと、ユーザー遷移にもブレが生じ、アクセス解析の精度にも影響を与えます。

 

CMSやWebサーバーの設定によっては、スラッシュの有無で別ページとして動作するケースもあるため、技術的な確認もあわせて行う必要があります。

 

対策としては、どちらか一方に統一し、不要なURLには301リダイレクトを設定するのが基本です。

 

また、canonicalタグでも正規のURLを明示しておくと、検索エンジンに意図が伝わりやすくなります。

 

末尾スラッシュの違いは小さなようで、SEOや運用面では意外と大きな影響を及ぼす要素です。

パラメータの有無

URLに付与されるパラメータ(?以降の文字列)は、同じページでも検索エンジンにとっては別ページとして認識される可能性があります。


たとえば、以下のようなURLは、内容が同じでも別個に評価される恐れがあります。

 

  • https://example.com/news

  • https://example.com/news?ref=twitter

  • https://example.com/news?utm_source=mail

 

パラメータは主に広告やSNS、アクセス解析などの目的で使用されますが、適切に管理しないと重複ページの増加や評価の分散を招く要因となります。


特に、同じ記事に複数のパラメータ付きURLからアクセスがあると、Search ConsoleやAnalyticsでデータが分かれ、実態がつかみにくくなります。

 

対応策としては、canonicalタグを使って「評価対象となるURL」を指定することが効果的です。


たとえば、https://example.com/news を正規URLとし、パラメータ付きの各バリエーションにも同じcanonicalを記述します。

 

かつてはGoogle Search Consoleに「URLパラメータ設定」機能がありましたが、2022年4月に廃止されています。

 

現在は、canonicalタグによる指定や、必要に応じたnoindexの活用が推奨されており、Google側が自動的に最適なURLを選定する仕組みになっています。

 

パラメータの扱いはSEOとアクセス解析の両面に影響するため、正規化による管理が極めて重要です。

PCとスマートフォンで異なるURLを使用している場合

PCとスマートフォンで異なるURLを使って同じ内容を表示している場合、検索エンジンに重複コンテンツとみなされる可能性があります。


たとえば、以下のようにURLが分かれているケースが該当します。

 

  • https://example.com/service(PC版)

  • https://example.com/sp/service(スマートフォン版)

 

このようなURL分離型の構成では、検索エンジンが同じコンテンツを2つのURLで認識するため、評価の分散やインデックスの混乱が発生する恐れがあります。


特に、片方にしかcanonicalタグが設定されていなかったり、適切なリンク関係が明示されていない場合、意図しない評価損失が生じやすくなります。

 

この問題を防ぐには、PCとスマートフォンのURLに「alternateタグ」と「canonicalタグ」を正しく設置することが重要です。

 

  • スマホ版には canonical を使ってPC版を指定

  • PC版には alternate を使ってスマホ版を指定

 

近年では「レスポンシブWebデザイン」の導入が主流になっており、URLを分けずに済む構成が推奨されています。

 

今後の運用を考えるうえでも、URL統一型のモバイル対応を検討することが望ましいでしょう。

AMPページや印刷用ページなど特別なケース

AMPページや印刷用ページのように、別形式で同じコンテンツを提供するケースでも、URLの正規化は重要です。

 

これらのページはユーザー体験の向上を目的としており、機能的には本来のページと同等ですが、検索エンジンにとっては別のURLとして扱われます。

 

たとえば、以下のようなURL構成がよく見られます。

 

  • https://example.com/article(通常版)

  • https://example.com/article/amp(AMP版)

  • https://example.com/article?print=true(印刷用)

 

このような状態を放置すると、評価の分散や意図しないURLのインデックス化といったSEO上のリスクが発生します。

 

特に、AMPページのみが検索結果に表示されたり、印刷用ページが評価対象になってしまうこともあるため注意が必要です。

 

対策としては、それぞれのページに以下のタグを適切に設置するのが基本です。

 

  • 通常ページには <link rel=”amphtml”> を設置してAMP版の存在を示す

  • AMPページや印刷用ページには canonicalタグで通常版を正規URLとして明示

このように設定することで、検索エンジンに対してどのURLを評価すべきかを明確に伝えることができます。

 

ページ形式を複数持つサイトでは、コンテンツの重複と評価の分散を防ぐためにも、正規化の対応が欠かせません。

URL正規化の主な方法

URLを正規化するには、検索エンジンに対して評価対象のURLを明示するための具体的な手段を使う必要があります。

 

主な方法には、301リダイレクト・canonicalタグ・alternateタグ・サイトマップの最適化・WordPressの設定などがあります。

 

それぞれの方法には役割や使いどころがあり、正しく使い分けることが重要です。

 

このセクションでは、各方法の概要と基本的な実装ポイントを解説します。

301リダイレクトによる統一

301リダイレクトは、恒久的にURLを別のURLへ転送するための最も基本的な正規化方法です。


検索エンジンは、301リダイレクトが設定されたURLの評価を転送先に引き継ぐため、正規URLへの評価集中を実現できます。

 

たとえば、http://example.com から https://example.com へ統一したい場合、301リダイレクトを設定すれば、旧URLにアクセスしたユーザーやクローラーを正しいURLへ自動的に誘導できます。

 

主な用途は以下のような場面です。

 

  • httpからhttpsへの統一

  • wwwあり・なしの統一

  • スラッシュやindex.htmlの削除

  • 古いURLから新しいURLへの移行

 

設定は、.htaccessやサーバー設定ファイル、またはWordPressのリダイレクト系プラグインなどで対応可能です。

 

注意点としては、一時的な302リダイレクトでは評価が引き継がれないため、必ず301(恒久的)を指定することが重要です。


また、リダイレクトがループしないよう、設定後は必ず動作確認を行いましょう。

canonicalタグの設置方法と注意点

canonicalタグは、検索エンジンに対して評価すべき正規のURLを「強く示唆する」HTMLタグです。

 

ただし、これは絶対的な命令ではなく「強いヒント」として扱われます。

 

Googleは、他のシグナルと矛盾がない限り通常は指定通りに扱いますが、必ずしも従うとは限らない点に注意が必要です。


異なるURLで同じ内容を提供しているときに、重複とみなされるのを防ぎ、SEO評価を1つに集約できます。

 

基本的な記述方法は以下のとおりです。

 

<link rel=”canonical” href=”https://example.com/page“>

 

このタグを各ページの<head>内に記述することで、検索エンジンに正規URLの意図を明確に伝えることができます。

 

特に以下のようなケースで有効です。

  • URLパラメータ付きページが複数ある場合

  • 絞り込み・並び替えなどでURLが動的に生成される場合

  • 印刷用ページや別形式のページが存在する場合

 

注意点としては、canonicalで指定するURLが実際に存在し、アクセス可能であることが前提です。


存在しないURLを指定すると、検索エンジンが混乱し、評価の移転がうまく行われません。

 

また、noindexタグやリダイレクトとの併用には注意が必要です。


意図が競合すると、インデックスされない・評価が引き継がれないといった不具合につながることがあります。

 

canonicalタグは手軽に使える一方で、設定ミスによる逆効果も起こりやすい要素です。


Search ConsoleのURL検査ツールなどを使って、常に正しく動作しているか確認するようにしましょう。

alternateタグの使い方(スマホ対応)

alternateタグは、PCとスマートフォンで異なるURLを使って同じコンテンツを提供している場合に、それらの対応関係を検索エンジンに伝えるためのタグです。


モバイル用ページを/spなどのサブディレクトリで構成しているサイトでは、正しい評価のために必須の設定です。

 

たとえば、以下のようにURLが分かれている場合

  • PC版:https://example.com/service

  • スマホ版:https://example.com/sp/service

 

このような構成では、PC版ページの<head>内に、次のようなalternateタグを設置します。

 

<link rel=”alternate” media=”only screen and (max-width: 640px)” href=”https://example.com/sp/service”>

 

このタグを使うことで、検索エンジンに「このPCページにはスマホ向けの対応URLがある」ことを明示できます。

 

さらに、スマホ版のページには以下のようにcanonicalタグを設置し、PC版が正規URLであることを伝えます。

 

<link rel=”canonical” href=”https://example.com/service”>

 

alternateとcanonicalは必ずセットで正確に設置することが重要です。


片方だけだと意図が正しく伝わらず、評価の分散やインデックスエラーの原因になります。

 

現在ではレスポンシブデザインが推奨される傾向にありますが、URL分離型で運用している場合は、alternateタグがモバイルSEOにおける基本対応のひとつです。

PC版ページ:alternateタグを設置して、スマホ版のURLを指定する

スマホ版ページ:canonicalタグを設置して、PC版のURLを指定する

サイトマップへの反映

URLの正規化を適切に行ったら、サイトマップにも正規URLのみを反映させることが重要です。


サイトマップは検索エンジンにクロールしてほしいページの一覧を伝えるためのファイルであり、ここに重複URLや評価対象外のURLが含まれていると、正規化の効果が薄れてしまいます。

 

たとえば、以下のような状態は避けるべきです。

  • 正規URLとパラメータ付きURLが両方記載されている

  • http版・https版が混在している

  • canonicalで非正規としたURLが含まれている

 

こうした記載ミスがあると、検索エンジンはどのURLを優先すべきか判断しづらくなり、評価の分散やインデックスの混乱が生じる可能性があります。

 

サイトマップに含めるURLは、必ずcanonicalタグやリダイレクトで正規と定めたURLのみとし、運用中のCMSやプラグインでも自動生成された内容を定期的にチェックすることが大切です。

 

また、Google Search Consoleに送信する際も、送信されたURLと実際にインデックスされているURLが一致しているか確認することで、正規化の整合性を保てます。

 

URL正規化はタグや設定だけでなく、サイトマップとの一貫性を持たせてはじめて効果を最大限に発揮します。

 

関連記事:サイトマップ作成と送信の基本

WordPressでの設定方法

WordPressでは、URLの正規化に関する基本的な設定が管理画面から簡単に行えます。


特に、wwwの有無やhttp/httpsの統一、URL末尾のスラッシュなどは初期設定やプラグインで対応可能です。

 

まず確認したいのが、[設定] → [一般]にある「WordPressアドレス(URL)」と「サイトアドレス(URL)」の項目です。


ここで、https化されているか、wwwの有無が統一されているかをチェックしましょう。


この2つのURLがバラバラだと、評価の分散やリダイレクトの不整合が発生することがあります。

 

さらに、リダイレクトを簡単に設定したい場合は、以下のようなプラグインの利用が便利です。

 

  • Redirection(URLごとの301リダイレクトを設定)

  • Really Simple SSL(SSL化とhttp→httpsリダイレクトを自動化)

 

canonicalタグに関しては、多くのSEO系プラグイン(例:Yoast SEO、All in One SEOなど)で自動出力が行われます。


ただし、テンプレートや独自カスタマイズをしている場合は、意図せず正規URLが崩れることもあるため、出力されるコードを確認することが大切です。

 

WordPressは柔軟性がある分、気付かないうちにURLが増えていることもあるため、定期的な見直しと設定の統一が求められます。

URL正規化が適切かを確認する方法

正規化の設定が完了したら、本当に意図した通りに検索エンジンへ伝わっているかを確認することが重要です。


設定ミスや反映漏れがあると、評価が分散したままになっていたり、検索結果に意図しないURLが表示されてしまう恐れがあります。

 

このセクションでは、Search Consoleや各種ツールを使って、正規URLが正しく認識されているかをチェックする方法を解説します。


技術的な設定とあわせて、こうした確認作業も定期的に行うことで、正規化の効果を確実に維持できます。

Search ConsoleのURL検査ツール

Google Search ConsoleのURL検査ツールを使えば、特定のURLが検索エンジンにどのように認識されているかを詳しく確認できます。


正規化が正しく機能しているかどうかを確かめる最も直接的な方法のひとつです。

 

確認したいURLを入力すると、以下のような情報が表示されます。

  • インデックス状況(登録済み/未登録)

  • クロール状況(最終クロール日)

  • 正規URL(Googleが認識している正規ページ)

  • ユーザー指定のcanonicalとGoogleが判断したcanonicalの比較

 

この中でも特に注目すべきは、「Googleが選択した正規URL」と「ユーザーが指定したcanonicalタグのURL」が一致しているかどうかです。


ここが一致していれば、意図通りに正規化できていると判断できます。

 

もし不一致がある場合は、canonicalタグの記述ミスや、リダイレクト設定の不整合、クローラーのアクセス制限などが原因となっている可能性があります。


その際は該当ページのHTMLやrobots.txtの設定、サーバー側の挙動などを再確認しましょう。

 

Search Consoleは、設定の結果を検索エンジン目線で確認できる唯一の公式ツールです。


正規化の効果を最大化するために、定期的なチェックをおすすめします。

 

関連記事:Google Search Consoleの基本と使い方

リダイレクトチェッカーの使用

リダイレクトチェッカーは、URLが意図した正規URLに転送されているかを確認するための便利なツールです。


301リダイレクトを設定した後は、きちんと設定が反映されているかチェックすることが大切です。

 

おすすめの無料ツールとして、以下が使いやすく日本語対応もされています。

 

URLを入力するだけで、

  • リダイレクトの有無

  • HTTPステータスコード(301や302)

  • 最終到達URL

  • ステップ数(リダイレクトチェーン)

 

がすぐに表示されます。

 

※ohotuku.jpの使用イメージ

意図しない302リダイレクトや、複数経由するリダイレクトチェーンがあると、評価が正しく引き継がれない原因になるため、設定後は必ず確認しましょう。

インデックス状況の確認方法

URLの正規化が正しく機能しているかを判断するには、対象のページが検索エンジンに正しくインデックスされているかどうかを確認する必要があります。


意図した正規URLが登録されていなければ、SEO効果は発揮されません。

 

確認方法としては、以下の2つが有効です。

  • Google Search Consoleの「ページ インデックス登録レポート(旧カバレッジ)」を確認する
     左メニュー「インデックス」→「ページ」からアクセスできます。
     ここで「有効(登録済み)」とされているURLが正規URLになっているか、また「除外」に含まれているページの理由も確認できます。

  • Google検索で「site:URL」で直接確認する
     例:site:https://example.com/service
     → 表示されるURLが正規URLかどうかをチェックすることで、インデックスの実態が見えてきます。

特に注意したいのは、パラメータ付きや旧URLが検索結果に出てくる場合です。


その場合は、canonicalタグやリダイレクトの設定が正しく動いていない可能性があります。

 

また、正規化を設定したばかりのページは、インデックス反映まで数日かかることもあります。 焦らず継続的に確認することが大切です。

サイトマップの記述内容を見直す

正規化の設定が済んでいても、サイトマップの内容が意図した正規URLと一致していなければ、検索エンジンに誤解を与える可能性があります。


特に、WordPressなどで自動生成されたサイトマップは、設定次第で非公開ページやnoindexページ、旧URLなどが混在してしまうことがあるため注意が必要です。

 

確認のポイントは次のとおりです。

  • httpとhttps、wwwの有無が統一されているか

  • canonicalで除外したURLが含まれていないか

  • パラメータ付きURLや印刷用ページなどが混在していないか

  • URLの末尾(スラッシュあり・なし)が統一されているか

 

これらに該当するURLがサイトマップに含まれていると、インデックスの混乱や評価の分散につながる恐れがあります。

 

また、Search Consoleに送信済みのサイトマップが最新のものかどうかも定期的に見直しましょう。


内容に変更があった場合は再送信を行い、Googleが正しいURL構成を認識できるように保つことが大切です。

設定時の注意点とよくあるミス

URLの正規化はSEOにおける基本対策ですが、設定ミスや意図しない挙動によって、かえって評価を落としてしまうケースも少なくありません。


特に、タグやリダイレクトの使い方を誤ると、検索エンジンに正しく伝わらず、インデックス除外や評価の無効化が発生する可能性があります。

 

このセクションでは、正規化設定時によくある4つのトラブル例を紹介し、事前に回避すべきポイントを整理します。


実装前や設定変更前のチェックリストとして、ぜひ活用してください。

canonicalとnoindexの併用による矛盾

canonicalタグとnoindexタグは、それぞれ役割が異なるため、同時に使うと検索エンジンに矛盾した指示を与えてしまう場合があります。


意図を正しく伝えられなければ、ページがインデックスされず、SEO評価が失われる可能性があります。

 

canonicalタグは「このページの評価は別のURLに集約してください」という指示です。


一方、noindexタグは「このページ自体をインデックスしないでください」という指示です。

 

たとえば、以下のような状態は問題を引き起こします。

 

<link rel=”canonical” href=”https://example.com/page”>

<meta name=”robots” content=”noindex”>

この場合、「評価は他のURLに渡してね」と言いつつ「でもこのページ自体は無視してね」という矛盾したメッセージになります。


結果として、canonicalの指定が無視され、評価も引き継がれないまま除外されてしまうことがあります。

 

どうしてもインデックスさせたくないページは、canonicalタグを使わず、metaタグのnoindexだけで対応するのが基本です。

 

タグの使い分けに迷ったときは、「このページに評価を残すか否か」を基準に考えると整理しやすくなります。

robots.txtの設定による誤認識

robots.txtは、検索エンジンのクローラーに対して「このディレクトリやファイルはクロールしないでほしい」と伝えるためのファイルです。


しかし、正規化を考慮せずに設定すると、評価の伝達やcanonicalタグの認識が妨げられる可能性があります。

設定例

User-agent: *
Disallow: /example/

このような設定をしていると、/example/配下のページにはGooglebotがアクセスできません。


つまり、そのページ内に記述されたcanonicalタグやmetaタグも読み取ることができなくなります。

 

その結果、以下のような問題が発生することがあります。

  • canonicalで指定した意図が伝わらず、正規URLとして扱われない

  • noindexタグも無視され、除外したいページがインデックスされ続ける

  • サイトマップで送信したURLとの整合性が取れず、インデックス状況が不安定になる

 

robots.txtは、クロール制御には便利ですが、評価制御の手段としては不完全です。


「見せたくないページ」はmetaタグのnoindexで、「評価を渡したいページ」はcanonicalや301リダイレクトで対応するのが基本です。

 

設定後は、Search Consoleの「robots.txt テスター」や「URL検査ツール」で、クローラーが対象ページを正しく読み取れるか確認しておくと安心です。

意図しない無限リダイレクトの発生

URLの正規化設定を誤ると、ページが延々とリダイレクトを繰り返す「無限リダイレクト」状態に陥ることがあります。


この現象が発生すると、検索エンジンもユーザーもページにアクセスできず、インデックス除外や評価損失の原因になります。

 

よくある原因は以下のとおりです。

  • スラッシュの有無でリダイレクトが循環している

  • wwwあり/なしとhttpsのリダイレクトが競合している

  • プラグインと.htaccessの設定が重複している

 

たとえば次のようなループが発生することがあります。

 

  1. https://example.com/pagehttps://www.example.com/page/

  2. https://www.example.com/page/https://example.com/page
    これを繰り返す

このような状態になると、Googleは途中でクロールを停止し、ページはインデックス対象外になります。

 

設定後は、リダイレクトチェックーohotuku.jpを使って、正規URLに1回で正しく転送されているかを確認しましょう。

 

リダイレクトは便利な機能ですが、設定ミスが大きなトラブルを招くこともあるため、検証は必須です。

キャッシュの影響で反映に時間がかかる場合

URLの正規化を設定しても、すぐに検索結果に反映されない場合は「キャッシュの影響」が原因になっていることがあります。


Googleの検索結果やブラウザ、サーバー側にはそれぞれ独立したキャッシュが存在し、古い情報が一時的に表示されることがあるためです。

 

たとえば以下のようなケースが該当します。

  • canonicalタグを修正したのに、Search Console上で旧URLが正規として表示されている

  • 301リダイレクトを設定したのに、リダイレクトされないことがある

  • 検索結果に、既に削除・統合したURLが表示され続けている

 

このような現象は、設定ミスではなくキャッシュの更新待ちである可能性が高いです。

 

対応方法としては、次のような手順が有効です。

  • Search Consoleの「URL検査ツール」で再クロールをリクエスト

  • サーバー側のキャッシュ設定(CDNやキャッシュ系プラグイン)を確認

  • 時間を置いて自然反映を待つ(数日〜1週間程度)

 

Googleは常に再クロールと情報更新を行っていますが、完全に反映されるまでには時間差があるのが通常です。


そのため、設定直後に結果が見えなくても、焦って設定を変え直すのは逆効果になることがあります。

 

正規化の設定後は、検証ツールと時間経過を組み合わせて状況を見守ることが大切です。

実務で確認しておきたいチェックリスト

正規化チェックリスト(必要に応じて確認)
  • canonicalタグは1ページに1つ、意図したURLになっているか
  •   
  • 301リダイレクトは設定したつもりのURLに正しく転送されているか
  •   
  • Search Consoleで「Googleが選んだ正規URL」が想定通りか
  •   
  • 旧URLやパラメータ付きURLが検索結果に残っていないか
  •   
  • サイトマップに記載されているURLは正規URLに統一されているか
  •   
  • 内部リンクのURL表記(http/https、www有無、末尾スラッシュなど)が統一されているか
  •   
  • スマホとPCでURLが異なる場合、alternateとcanonicalを正しく使っているか
  •   
  • リダイレクト設定にループや誤転送が発生していないか
  •   
  • robots.txtで必要なページを間違ってブロックしていないか
  •   
  • 反映まで時間がかかることもあるので、キャッシュの影響も考慮しているか

※サイトの構成や目的によっては、すべての項目が該当しない場合もあります。

自社の運用状況にあわせて、必要なポイントを確認してみてください。

まとめ

URLの正規化は、SEO評価の分散を防ぎ、検索エンジンに正しくサイトの意図を伝えるための基本対策です。


http/httpsの統一やcanonicalタグの設置、301リダイレクトの設定など、技術的にはシンプルな作業でも、放置すれば検索順位やアクセス解析に大きな影響を与える可能性があります。

 

とくに、CMSやパラメータ付きURLを多用しているサイトでは、意図しないURLの増加や重複状態が発生しやすくなります。


そのため、日頃から正規化の確認や設定の見直しを定期的に行うことが、安定したSEO運用につながります。

 

本記事で紹介した手順やチェックリストを活用し、自社サイトのURL構造が意図通りになっているか、ぜひ一度見直してみてください。

よくある質問(FAQ)

  • URL正規化はすべてのサイトで必要ですか?

    はい、ほとんどのサイトで必要です。

     

    特に、WordPressなどCMSを使っている場合は、自動生成されたページやパラメータ付きURLなど、意図せず重複が発生するリスクがあります。

     

    目立たない部分でも正規化を怠ると、評価の分散やインデックスの混乱につながるため、基本的な対策として対応しておきましょう。

  • wwwあり・なしはどちらが良いですか?

    どちらでも問題ありませんが、「どちらかに統一すること」が重要です。

     

    統一には301リダイレクトを使い、片方にアクセスが集まるように設定しましょう。

  • canonicalタグと301リダイレクトはどう使い分ければいいですか?

      • URLを完全に変更・統合したい → 301リダイレクト
      • 複数のURLは残したいが、評価は集約したい → canonicalタグ

    という使い分けが基本です。


    たとえば、パラメータ付きURLを残したいときはcanonical、旧URLから新URLに移行したいときは301を使いましょう。

     

     

  • Search Consoleで正規化されていないと表示されたらどうすればいい?

    Search Consoleの「URL検査ツール」で、「Googleが選んだ正規URL」と「自分が指定したcanonical」が一致しているかを確認しましょう。

     

    一致していない場合は、canonicalタグや301リダイレクト、サイトマップの内容を見直す必要があります。

     

    特に自動生成ツールを使っている場合、思わぬURLが送信されていることもあるため注意です。

  • WordPressの場合、URL正規化はどう対応すればいいですか?

    管理画面の「設定 → 一般」で、WordPressアドレスとサイトアドレスが一致しているか確認しましょう。


    また、以下のようなプラグインを使うと設定が簡単です。

     

    • Redirection(URLの301リダイレクトを手軽に設定)

    • Really Simple SSL(httpsへの統一対応)

    さらに、Yoast SEOやAll in One SEOなどのSEOプラグインを活用すれば、canonicalタグも自動で出力されます。

記事の著者

吉村 健太朗

役職

シンクション株式会社 代表取締役

資格

景表法特商法遵守 個人認証(KTAA)
薬機法医療法遵守 個人認証(YAMM)
Google広告「検索広告」認定資格
Googleアナリティクス個人認定資格

奈良でWEBマーケティングとWEB制作に特化した「ツナガル」を運営しています。私のWEBキャリアは2012年、副業でアフィリエイトを始めたことがきっかけでした。
3か月で月10万円を達成したものの、その後思い通りに成果が伸びず挫折を経験。これが、私とWEB業界の出発点となりました。
その後、営業を経験し、2020年には本格的にWEBの世界へ。現在では、地域に特化したキーワード戦略により300以上の上位表示を実現し、SEO対策マニュアルでは検索順位2位を獲得しています。
お客様と共に課題を乗り越え、成果を共に喜び合うことが私のモチベーションです。WEBに関することならどんなご相談でもお気軽にお声がけください。

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