SEO対策の一つとして知られる「相互リンク」。
かつては検索順位を上げる代表的な手法でしたが、Googleのアルゴリズム進化によって評価のされ方が大きく変わりました。
「もう効果がない」と切り捨てる人もいれば、今も着実に成果を上げている企業も存在します。
実際、相互リンクは正しい条件を満たせば現在でもSEOにプラスに働きますが、やり方を誤ればペナルティのリスクも伴います。
本記事では、相互リンクが現在のSEOに与える影響を整理し、メリットとリスク、安全に活用するための実践ポイントを解説します。
「相互リンクは取り入れるべきか?」と迷う方にとって、判断の材料となる内容です。
・信頼できるリンク相手の選び方がわからない
・SEOに逆効果なリンクをしてしまっていないか不安
・相互リンク以外の施策も含めた全体最適を考えたい
そんなときは、プロに相談してみるという選択肢もあります。
シンクションでは、SEOに精通した専門家が貴社の状況に応じた施策をご提案します。
まずは一度ご相談ください。
目次
相互リンクは今でもSEOに効果があるのか?
結論から言えば、「限定的には効果があるが、乱用すれば逆効果になる」 というのが現在のGoogleの評価です。
相互リンクとは、2つのWebサイトが互いにリンクを設置し合うことを指します。2000年代前半には代表的なSEO施策でしたが、現在のGoogleはリンクの「数」ではなく「質」を重視しています。
GoogleのJohn Mueller氏も「地元のビジネス同士が自然な形でリンクし合うことは問題ない」としながらも、「関連性のないサイトと大量に交換するのは不自然なリンクと見なされる」と警告しています。
つまり、ユーザーにとって自然で有益な相互リンクであればプラス効果が期待できる一方、数を稼ぐためだけのリンク交換はリスクが高いのです。
今のGoogleにおける相互リンクの扱い
Googleのスパムポリシーでは、「過剰な相互リンク(リンクを得ることを目的に設置するリンク)」をリンクスパムの一種として明確に禁止しています。
特に以下のような行為は、アルゴリズムに検出されやすく、検索順位低下やインデックス削除のリスクを伴います。
注意点 前述の通り、Googleは「ユーザーにとって自然で有益な相互リンク」を評価対象とします。逆に、操作的・不自然なものはリンクスパムとして扱われる点に注意が必要です。
評価されるケース/されないケースの具体例
相互リンクが評価されるのは、関連性と信頼性がある場合です。
✅ 奈良の観光業者が地元ホテルや交通機関のサイトと相互リンクする
✅ 業界団体や商工会議所など、公的・信頼性のあるサイトとのリンク
一方で、以下のようなケースはSEO効果が期待できない、むしろマイナスとなります。
❌ 内容が薄く広告だらけの低品質サイトとのリンク
❌ 相互リンク集や自動相互リンクツールの利用
❌ 業種や地域が無関係な海外サイトとのリンク
導入すべきかどうかの判断基準
相互リンクは信頼できる相手と限定的に実施するなら有効です。
ただし、工数やリスクを考えると無差別な導入はおすすめできません。
まとめると、相互リンクは今でもSEO効果を発揮します。
ただし「数を増やすため」ではなく「ユーザーにとって有益な導線を作るため」に行うことが重要です。
関連記事:SEO外注で失敗しないために|費用相場と業者選びのコツ
相互リンクのメリットとビジネス的な効果
相互リンクは単なるSEO施策にとどまらず、「ターゲット層との接点増加」「認知度の向上」「第三者評価を通じた信頼獲得」 など、ビジネスの根幹に直結する価値をもたらします。
特に、公的機関や業界団体など権威あるサイトとのリンクは、Googleが情報の信頼性を評価する指標である E-E-A-T(専門性・経験・権威性・信頼性) においても高く評価されます。
その結果、検索順位の安定化や長期的なブランド価値の向上につながります。
補足:E-E-A-Tとは? E-E-A-Tとは、Googleがコンテンツやサイトを評価する際に重視する要素で、以下の4つの観点を指します。 特に医療・金融・観光など、ユーザーの意思決定に大きく影響する分野では重要視されています。
ただし、こうした効果を得るためには、「適切な相手の選定」 と 「ユーザーにとって自然で有益な導線設計」 が不可欠です。
ここからは、相互リンクの効果を 「アクセス流入」「検索順位」「ドメインパワー」 の3つの観点から詳しく解説します。
関連記事:E-E-A-Tとは?中小企業が行うべきE-E-A-T対策までご紹介
アクセス流入と認知向上
相互リンクの最も直接的な効果は、相手サイトからの訪問者が自社サイトへ流入することです。
業種や地域が重なる相手とのリンクは、見込み顧客との接点を増やすチャンスになります。
例えば、奈良の宿泊施設が観光協会サイトと相互リンクを結べば、旅行者が自然に流入し、宿泊予約や認知拡大につながります。
関連記事:ローカルSEOとは?地域キーワードで集客を増やす効果的な方法とポイント
被リンク効果による検索順位の変化
相互リンクは被リンクの一種として、検索エンジン評価に影響します。
ただし、効果があるのはあくまで「自然で関連性のあるリンク」です。
- 関連性の高いサイトからのリンク → 順位上昇にプラス
- 不自然・無関係なサイトからのリンク → 効果なし、場合によってはマイナス
順位変動はすぐに表れるものではなく、数か月単位で少しずつ改善するケースが多いです。
そのため、短期的な結果を求めるのではなく、長期的に効果を確認する姿勢が重要です。
関連記事:SEO効果を高める良質な被リンクを増やす施策18選
ドメインパワーや信頼性向上への影響
相互リンクはアクセスや順位だけでなく、サイト全体の評価や信頼性にも影響します。
特に、業界団体や自治体、教育機関といった公的性質の強いサイトとのリンクは、権威性を高める効果が大きいです。
まとめると、相互リンクは「アクセス増加」「順位改善」「信頼性向上」の3つの効果を発揮します。
ただし成果は相手選びに左右されるため、慎重な検討が欠かせません。
関連記事:ドメインパワーとは?SEOにおけるドメイン評価の重要性と上げ方
相互リンクに潜むリスクと注意点
相互リンクは一歩間違えると、検索順位低下やブランド毀損といったリスクを伴います。
特に近年ではGoogleのAI「SpamBrain」により、不自然なリンクは自動的に検出・無効化される仕組みが強化されており、従来以上に注意が必要です。
企業にとっては、「信頼性」と「持続的なブランド構築」を意識したリンク戦略を採ることが、成果を長期的に積み上げる上で欠かせないポイントです。
ここでは代表的なペナルティやトラブル事例、そして避けるべきNG手法を解説します。
Googleペナルティの代表的なパターン
Googleは「不自然なリンク操作」を厳しく取り締まっており、相互リンクも例外ではありません。
かつては大量の相互リンクで順位を上げる手法が一般的でしたが、現在はリスクが大きく現実的ではありません。
2022年12月の「リンクスパムアップデート」以降はAIシステムのSpamBrainが不自然なリンクを自動検出し、まず評価を無効化する処理が強化されています。
参考:海外SEO情報ブログ
ただし、悪質と判断された場合は手動ペナルティが科され、検索順位の急落やインデックス削除といった深刻な結果に至る可能性があります。
一度ペナルティを受けると回復には長期の見直しが必要となり、企業には大きな負担となります。
実務上のポイント 短期間に相互リンクを増やすのは避けましょう。評価が無効化されやすく、ケースによっては手動対応の対象になります。関連性とユーザー利便性を満たす限定的な連携に絞ることが重要です。
品質が低い相手とのリンクが招くトラブル
相互リンクは相手の品質に依存するため、低品質なサイトと結ぶと自社まで悪影響を受けます。
こうした相手とのリンクは、Googleから「関連サイトも同じレベル」と評価され、自社の信頼性が低下します。
さらに、リンク先が閉鎖やドメイン売却された場合、悪質サイトへリダイレクトされることもあり、セキュリティリスクやブランド毀損につながるケースもあります。
関連記事:風評被害を防ぐ逆SEOとは?ネガティブSEOとの違いも解説
自作自演・リンク集的な手法のNG例
かつては「相互リンク集」や「自社サイト同士でリンクを回す」といった手法が流行しました。
しかし現在ではこれらは完全にGoogleガイドライン違反とされ、行えば確実にペナルティ対象になります。
このようなリンクはユーザーにとって全く価値がなく、検索順位操作の意図が明確に見えるため、アルゴリズムにも手動ペナルティにも直結します。
相互リンクを検討する際は、必ず「ユーザーにとって有益な情報導線になっているか」を基準にすることが重要です。
まとめると、相互リンクには「ペナルティ」「信頼性低下」「ブランド毀損」という重大なリスクが潜んでいます。
安全に活用するためには、数を追うのではなく「関連性が高く信頼できるサイトとのみ」慎重に実施することが求められます。
関連記事:SEO外部対策の基本と実践|効果的な進め方と避けたいNG施策
安全に相互リンクを活用するためのチェックポイント
相互リンクは誤った方法で行うとリスクが高い施策ですが、正しく管理すればアクセス増加や信頼性向上につながります。
そのためには、リンク相手の選定やタグ設定など、いくつかの基準を守ることが欠かせません。
リンク相手を選ぶ際に見るべき5つの基準
相互リンクの相手を選ぶ際には、次の5つをチェックすることでリスクを減らせます。
これらを満たす相手であれば、SEOだけでなくブランド信頼性の観点からもプラス効果が期待できます。
「このサイトは避けるべき」リンク相手の特徴
逆に、相互リンクを避けるべき相手には共通点があります。
以下のような特徴を持つサイトとはリンクを結ばない方が安全です。
こうしたサイトとの相互リンクは、Googleからの評価を下げるだけでなく、自社のブランドイメージに悪影響を与えるリスクがあります。
「rel=nofollow」など安全性を高めるタグ設定
相互リンクを設置する際には、HTMLタグの設定 も重要なポイントです。
検索エンジンに「このリンクをどのように扱ってほしいか」を正しく伝えることで、不要なリスクを避けられます。
Googleの公式ガイドラインでは、広告や金銭的な取引に基づくリンクには rel=”nofollow” または rel=”sponsored” を付与すること が推奨されています。
ただし、ここで注意すべきなのは「すべての相互リンクに nofollow を付けなければならない」という意味ではないことです。
自然でユーザーに有益な導線として成立する相互リンクであれば、通常のリンクとして設置することでSEO効果を得られます。
つまり、SEOを意識して相互リンクを行うなら、関連性・信頼性が確保できる相手とは通常リンクを使うのが基本です。
一方で、ビジネス上の関係から形式的に設置せざるを得ないリンクや、広告的な色合いが強いものは nofollow や sponsored を付与するのが安全です。
まとめると、安全な相互リンクには 「相手選び」「避けるべき特徴の把握」「適切なタグ設定」 の3つが欠かせません。
この判断基準を押さえておけば、SEO効果を得つつリスクをコントロールすることが可能です。
関連記事:noindexとnofollowの違いとは?SEO効果と正しい設定・注意点
相互リンクの実行手順と管理方法
相互リンクは、やみくもに依頼して設置すればよいわけではありません。
「適切なサイト選定 → 丁寧な依頼 → 設置と管理」という流れを踏むことで、効果的かつ安全に活用できます。
ここでは実際の実行手順を解説します。
サイト選定→依頼→設置までの流れ
まずは相手サイトの選定から始めます。
業種や地域が関連し、信頼できる運営が行われているサイトであれば有力候補です。
依頼文の書き方とトーン
相互リンクの依頼文では、「双方にとって有益である」ことを前面に出すことが重要です。
一方的にお願いするのではなく、相手にとってもメリットがあると感じてもらうことで、受け入れられる可能性が高まります。
また、依頼文のトーンは 「誠実さ」 と 「簡潔さ」 が基本です。
長すぎる文章は相手に負担を与えますが、根拠のない短文では「コピペ依頼」と思われかねません。
そこで、具体的な親和性やユーザー価値を示す一文を加えると効果的です。
依頼文の流れは以下のとおりです。
- 自己紹介(会社名・サイトの概要)
- 相手サイトとの共通点や親和性
- 相互リンクによる具体的なメリット(双方にとっての有益性)
- 設置依頼のお願い
- 感謝の言葉
当社サイト(○○ホテル公式サイト)も同じ地域で宿泊情報を発信しており、訪問者にとって「観光情報から宿泊予約へ」という自然な導線を提供できると考えております。 もし可能でしたら、貴サイトの「地域情報ページ」に当社サイトへのリンクを設置いただけませんでしょうか。 当社の方でも、貴サイトの観光ページをご紹介し、双方の訪問者がより多くの有益な情報を得られるようにしたいと考えております。 ご検討いただけますと幸いです。 何卒よろしくお願い申し上げます。貴サイトを拝見し、○○地域の観光情報を充実させている点に大変共感いたしました。
このように、「ユーザーの利便性向上につながる」「お互いの情報を補完できる」といった具体的なメリットを示すと、依頼文が単なる営業ではなく「双方にとって価値のある提案」として受け止められやすくなります。
設置後のリンク管理と記録方法
相互リンクは設置して終わりではなく、継続的な確認と記録管理が欠かせません。
特に中小企業の場合、担当者が変わることもあるため、記録を残しておくことが安心につながります。
さらに、通常のリストとして管理フローをまとめるとイメージが掴みやすくなります。
- 定期的に相手サイトへアクセスしてリンク状況を確認する
- サイトの品質が落ちていないかをチェックする
- 問題があれば相手に連絡、または自社でリンクを外す
この習慣を持つことで、長期的に安心して相互リンクを維持できます。
関連記事:SEOの効果測定とは?初心者向けに具体的手順とツールを紹介
相互リンクの効果を見える化する方法
相互リンクは「やって終わり」ではなく、効果を数値で確認し、必要に応じて改善することが成功のポイントです。
アクセス解析や順位追跡を通じて、どの程度SEOや集客に寄与しているのかを把握しましょう。
アクセス解析で見るべき指標(GA・GSC)
Google Analytics(GA)とGoogle Search Console(GSC)を使えば、相互リンクの効果を具体的に確認できます。
特に、どの程度の訪問が相手サイトから発生しているか、そして流入ユーザーの質はどうかをチェックすることが重要です。
一方、GSCでは「被リンクによる表示回数やクリック数の変化」を確認できるため、SEO効果の測定にも役立ちます。
関連記事:Googleサーチコンソールとは | 初期設定・導入手順を初心者にもわかりやすく解説!
順位変動の追跡と改善判断の基準
相互リンクの効果は、検索順位の推移にも表れます。
ただし、順位は短期的に変動しやすいため、1〜2週間で判断するのではなく、3〜6か月単位で追うのが現実的です。
例えば、リンク設置から数か月後に主要キーワードの順位が安定して上昇していれば効果が出ていると考えられます。
逆に、順位が大きく下落した場合はリンク相手の品質や設置の仕方を見直すべきサインです。
リンク戦略の見直しタイミング
相互リンクは設置後に放置するのではなく、定期的な見直しが不可欠です。
リンク先のサイト状況や自社のSEO戦略の変化に応じて調整しましょう。
見直しのタイミング例としては、
- 相手サイトが更新を止めている
- 被リンク数が増えても順位に変化がない
- 相手サイトが低品質化している、または方向性が変わった
- 新しい信頼できる相手とのリンク機会が出てきた
こうした場面ではリンクを外す、もしくは新しい相手と結ぶなどの再調整が必要です。
リンク戦略を「固定的な施策」ではなく「流動的な改善対象」として扱うことが、長期的なSEO成功につながります。
関連記事:SEO記事のリライトとは?
相互リンクと併用したい被リンク施策
相互リンクはSEOに一定の効果がありますが、それだけでは成果が限定的です。
検索エンジンに評価されやすく、かつ自然な形で被リンクを増やすためには、他の施策との併用が不可欠です。
ここでは、コンテンツ設計・SNSやメディア露出・内部リンク戦略との組み合わせについて解説します。
自然な被リンクを増やすコンテンツ設計
Googleが最も高く評価するのは、ユーザーにとって有益で自然にリンクが集まるコンテンツです。
相互リンクだけに依存するのではなく、記事や資料、ツールなど「価値ある情報発信」で被リンクを増やす仕組みを作ることが重要です。
このような資産型コンテンツは、一度公開すると長期的に被リンクを獲得できる点で強力です。
SNS・メディア露出との併用効果
SNSやメディア露出は、相互リンクと補完し合う施策として効果的です。
SNSで情報をシェアすることで拡散性が高まり、そこから自然な被リンクが発生するケースも多くあります。
- TwitterやFacebookでの情報発信
- LinkedInなどビジネスSNSでの事例共有
- プレスリリースによるメディア掲載
これらの施策は直接的なSEO効果は限定的ですが、認知拡大 → 記事やサイトへの引用 → 自然な被リンク増加という流れを生みやすくします。
相互リンクで基盤を作りつつ、SNSやメディアで露出を広げると相乗効果を期待できます。
内部リンクとの相乗効果とSEO全体最適
相互リンクを外部施策として活用するだけでなく、内部リンクの最適化と組み合わせることでSEO全体の効果を高められます。
内部リンクは検索エンジンにサイト構造を理解させ、重要なページに評価を集める役割を持ちます。
例えば、
- 外部から相互リンクで流入 → 関連する記事に内部リンクで誘導
- 内部リンクの網目構造を作り、滞在時間と回遊性を向上
- トップページや主要サービスページに自然に評価を集中
このように内部リンクと外部リンクをバランス良く組み合わせることで、サイト全体のドメイン評価を底上げすることができます。
相互リンクを導入するか迷ったときの判断軸
相互リンクは一見手軽に始められる外部施策ですが、効果とリスクの両面を考慮する必要があります。
特に中小企業では、限られたリソースをどこに投資するかが成果を左右します。
ここでは、工数・効果・リスクの比較と、他施策とのバランスの取り方を解説します。
工数・効果・リスクをどう比較するか
相互リンクのメリットは「短期的なアクセス増加」や「限定的な被リンク効果」が見込める点です。
しかし、一方で「リンク相手の品質に依存する」「Googleのペナルティリスクがある」といったデメリットも存在します。
企業が判断する際は、「リスクに見合うだけの成果が期待できる相手かどうか」を基準にすべきです。
関連記事:SEO対策サービス会社おすすめ20選|失敗しない選び方ガイド
他施策とのバランスと中小企業における最適解
相互リンクは単独で強力な施策ではなく、他のSEO施策と組み合わせることで意味を持つ位置づけです。
コンテンツSEOやSNS運用、内部リンクの最適化と比べると優先度は下がります。
実際には、
- まずはコンテンツ強化で自然な被リンクを獲得する
- そのうえで関連性の高い信頼できる相手との相互リンクを少数取り入れる
- 「数より質」を意識してリスクを最小化する
という流れが現実的な最適解です。
企業にとっては「相互リンクをメイン施策にしない」「補助的に取り入れる」というスタンスが長期的に見て安全かつ効果的です。
ただし、いただいたものをすべて掲載するのではなく、「訪問者にとって有益かどうか」「相手サイトの信頼性が確保されているか」を基準に判断しています。 例えば、同じ地域で観光や宿泊に関する情報を発信している信頼できるサイトであれば、ユーザーにとって有益な導線になると考え、相互リンクを掲載したことがあります。 一方で、広告ばかりのサイトや更新が止まっているサイトからの依頼は、掲載を控えています。 また、弊社では「ユーザーにとって有益なコンテンツ提供」を最優先にしています。 その結果として、信頼性の高いサイトから自然にリンクをいただく機会が増えてきました。 実際に、同業他社や地域団体から「ぜひ紹介したい」とご相談をいただくこともあり、こちらからお願いする前に相互リンクが成立するケースもあります。 このように 「コンテンツによる信頼の蓄積」 が、長期的なSEO成果と良質な被リンク獲得の原動力となっています。 これはGoogleが重視する E-E-A-T(専門性・経験・権威性・信頼性) の考え方とも一致するアプローチだと考えています。弊社にも相互リンクの依頼が定期的に届きます。
補足:相互リンクとは?基礎知識を整理
相互リンクはSEOにおいて昔から注目されてきた施策ですが、用語や概念が混同されやすい領域です。
ここでは、仕組みや定義を確認しながら、被リンクや自然リンクとの違いを整理しておきます。
仕組みと定義
相互リンクとは、2つ以上のサイトが互いにリンクを貼り合うことを指します。
例えば、A社のサイトがB社のサイトにリンクを設置し、同時にB社もA社のサイトへリンクを返す、といった形です。
被リンクとの違い
被リンクとは、外部のサイトから自社サイトへ設置されるリンクの総称です。
一方、相互リンクはその中の一形態であり、「双方がリンクを貼ること」が条件になります。
つまり、
- 被リンク:相手からリンクをもらう一方向の形
- 相互リンク:互いにリンクを設置する双方向の形
と区別することができます。
この違いを理解しておくと、SEO施策の全体像を整理しやすくなります。
自然リンクとの区別と背景
自然リンクとは、第三者が「この情報は有益だ」と判断し、自発的に設置するリンクのことです。
Googleは、こうしたリンクを 「意図的な操作が介在していない純粋な評価」 とみなし、特に E-E-A-T(専門性・経験・権威性・信頼性) のうち「経験」と「信頼性」を示すシグナルとして重視しています。
一方、相互リンクは合意のもとに設置されるため、背景や文脈によって評価が分かれるのが特徴です。
「ユーザーにとって有益な導線になっているか」「実際の関係性や信頼性が裏付けられているか」
この2点が、自然な評価を得られる相互リンクか、それともスパムと見なされるかの分かれ目になります。
一方、相互リンクは事前に合意して設置されるものであり、必ずしも自然発生的とはいえません。
このためGoogleは「自然さ」を重視し、不自然な相互リンクの乱用をガイドライン違反としています。
ただし、業務提携先や関連団体とのリンクのように、ユーザーにとって有益な導線となるケースでは自然な評価につながることもあります。
つまり「どういう背景でリンクが設置されているのか」が評価の分かれ目となります。
まとめ:相互リンクを成果につなげるための実践ポイント
相互リンクは、正しく行えば「アクセス増加・検索順位改善・信頼性向上」につながる有効な施策です。
しかし同時に、やり方を誤ると Googleペナルティやブランド毀損 といった大きなリスクも伴います。
今回の内容を整理すると、成果につなげるための実践ポイントは次の3つに集約されます。
- 相手選びを徹底する
→ 関連性・信頼性のあるサイトとのみリンクを結び、「数」ではなく「質」を優先する。 - 透明性のあるプロセスを踏む
→ 誠実な依頼文で双方のメリットを提示し、設置後も定期的にリンクの有効性を確認する。 - 相互リンクを補助施策として位置付ける
→ コンテンツSEOやSNS、自然な被リンク施策と組み合わせ、SEO全体の中でバランスよく活用する。
実践のコツ
中小企業にとっては、相互リンクを「メイン施策」にする必要はありません。
まずは自社サイトのコンテンツを強化し、自然に信頼される土台を作ったうえで、ごく限られた信頼できる相手とのみ相互リンクを組み合わせるのが、最も安全で効果的な戦略です。
よくある質問(FAQ)
-
相互リンクは今でもSEOに効果がありますか?
はい、相互リンクは今でも一定のSEO効果があります。ただし「関連性が高く信頼できるサイト」との自然な相互リンクに限られます。無関係なサイトやリンク集ページとの大量交換は、逆にGoogleからペナルティを受けるリスクがあるため注意が必要です。
-
相互リンクによるSEOリスクにはどのようなものがありますか?
Googleのスパムポリシーに違反すると、検索順位の大幅な低下やインデックス削除といったペナルティにつながる可能性があります。特に「不自然なリンク集」「低品質サイトとのリンク」「短期間で急増する相互リンク」は危険です。
-
相互リンクを取り入れる場合の判断基準は?
相互リンクを検討する際は、以下のポイントを確認することが重要です。
- 業種や地域が自社と関連しているか
- コンテンツの品質や更新頻度が高いか
- 運営者や企業情報が明示されているか
- 広告やスパム的要素が少ないか
- 長期的に信頼関係を築けそうか
-
相互リンクを安全に行うにはどうすればよいですか?
安全に活用するには「数より質」を重視し、信頼できるサイトとのみリンクを結ぶことが基本です。また、Googleが推奨する rel=”nofollow” や rel=”sponsored” といったタグを適切に設定することで、リスクを抑えることができます。
-
相互リンクだけでSEO効果を高められますか?
いいえ、相互リンクだけでは十分ではありません。コンテンツSEOやSNS活用、自然な被リンク施策などと組み合わせることで、SEO全体の効果を高めることができます。相互リンクは「補助的な施策」として取り入れるのが現実的です。
記事の著者

吉村 健太朗
シンクション株式会社 代表取締役
資格景表法特商法遵守 個人認証(KTAA)
薬機法医療法遵守 個人認証(YAMM)
Google広告「検索広告」認定資格
Googleアナリティクス個人認定資格
奈良でWEBマーケティングとWEB制作に特化した「ツナガル」を運営しています。私のWEBキャリアは2012年、副業でアフィリエイトを始めたことがきっかけでした。
3か月で月10万円を達成したものの、その後思い通りに成果が伸びず挫折を経験。これが、私とWEB業界の出発点となりました。
その後、営業を経験し、2020年には本格的にWEBの世界へ。現在では、地域に特化したキーワード戦略により300以上の上位表示を実現し、SEO対策マニュアルでは検索順位2位を獲得しています。
お客様と共に課題を乗り越え、成果を共に喜び合うことが私のモチベーションです。WEBに関することならどんなご相談でもお気軽にお声がけください。
・信頼できるリンク相手の選び方がわからない
・SEOに逆効果なリンクをしてしまっていないか不安
・相互リンク以外の施策も含めた全体最適を考えたい
そんなときは、プロに相談してみるという選択肢もあります。
シンクションでは、SEOに精通した専門家が貴社の状況に応じた施策をご提案します。
まずは一度ご相談ください。