SEOで成果を出すには、良質なコンテンツや外部リンクだけでなく、Webサイト自体の構造を整える「内部対策」が欠かせません。
検索エンジンに正しく評価されるためには、ページの設計やリンク構造、各種HTML設定が適切である必要があります。
本記事では、SEOの土台を築くための内部対策について、基礎知識から実践的な設定方法、そして今すぐ使えるチェックリスト25項目までを一挙に解説。
検索順位を上げたいすべてのWeb担当者に向けて、技術的・戦略的に押さえるべきポイントを網羅しました。
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そんな方でも安心して確認・実装が進められるよう、体系的に整理しています。
まずは、自社サイトが“検索エンジンに伝わる構造”になっているか、ここから見直してみましょう。
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目次
SEO内部対策とは何か?
SEO内部対策とは、Webサイトの構造やコンテンツを技術的に最適化し、検索エンジンがページを正しくクロール・インデックスできるように整える施策の総称です。
検索順位を上げるための「土台づくり」として、SEO戦略において非常に重要です。
検索エンジンはWebサイトのあらゆる情報を機械的に読み取ります。
そのため、サイト構造が複雑だったり、無駄なページが多かったりすると、適切な評価がされません。
内部対策を行うことで、検索エンジンがページの内容や関係性を正確に理解しやすくなり、SEO対策全体の成果を高める効果が期待できます。
具体的には以下の3つが代表的な対策領域です。
例えば、パンくずリストの設置や内部リンクの最適化といった基本施策は、ユーザーにも検索エンジンにも効果的に働きます。
また、noindexやcanonicalタグの適切な設定も、重複コンテンツ対策として重要な施策です。
SEO内部対策は、「seo 内部 対策 チェック リスト」などのチェック項目を活用して、定期的に見直すことが大切です。
しっかりと整備された内部構造は、検索結果での上位表示やアクセス数の向上につながります。
内部対策の目的とSEOにおける重要性
SEOにおける内部対策の目的は、検索エンジンとユーザーの両方にとって理解しやすく、利用しやすいWebサイトを構築することです。
そのため、内部対策はSEO全体の成果を支える重要な施策のひとつです。
検索エンジンは、サイト構造やリンク構造、HTMLの記述方法などを通じてページの内容を判断しています。
そのため、情報が整理されておらずリンクが分かりにくいと、ページの正確な評価がされず検索順位に悪影響が出る可能性があります。
一方で、しっかり内部対策が施されたサイトは、クロール・インデックスがスムーズに行われるため、検索エンジンに高く評価されやすくなります。
たとえば、タイトルタグやメタディスクリプションを最適化しておくことで、検索結果でのクリック率が上がることもあります。
また、構造化データの導入やalt属性の記述など、検索エンジンの理解を助ける要素も内部対策の一環です。
内部対策は単なる技術的調整ではなく、検索エンジンとの「対話」を成立させるための下地づくりです。
検索順位を上げるには、まず正しく評価される状態に整えることが大切です。
内部対策の3大分類と戦略設計の基本
SEO内部対策は、単なる設定やチェックの積み重ねではありません。
検索エンジンの仕組みやユーザー行動を踏まえて、3つの観点からバランスよく最適化を行うことが戦略設計の基本です。
その3分類とは、「クローラビリティ最適化」「インデクサビリティ最適化」「UX(ユーザー体験)最適化」です。
以下、それぞれの概要と目的を解説します。
クローラビリティ最適化
クローラビリティの最適化とは、検索エンジンのクローラーがWebサイト内のすべての重要なページにスムーズに到達できる状態をつくることです。
これはSEO内部対策において最も基礎的かつ重要な要素です。
クローラーはリンクをたどってサイト全体を巡回し、情報を収集します。
この巡回がうまくいかないと、ページの存在すら検索エンジンに伝わらず、インデックスもされません。
つまり、クローラビリティの不備はSEOの機会損失を生む重大な問題です。
たとえば、以下のような施策がクローラビリティ改善に直結します。
たとえば、リンク切れが多いサイトではクロール効率が落ち、重要ページへの到達率が低下します。
また、robots.txtの誤設定により重要ページがブロックされるケースもあります。
まずはクローラーにとって「迷わず巡回できるサイト設計」を意識し、サイト全体を見直すことが大切です。
それがすべてのSEO施策の出発点になります。
参考:検索エンジンの基礎
インデクサビリティ最適化
インデクサビリティ最適化とは、Webページが検索エンジンに正確に理解され、インデックス(登録)される状態を整えることです。
見つけてもらうだけではなく、内容が正しく評価されてこそSEO効果が発揮されます。
検索エンジンはページの内容・構造・関連性をもとに、検索結果での表示順位を決めています。
そのため、適切にマークアップされていないHTMLや、重複するコンテンツ、意図しないnoindexタグの使用は評価の妨げになります。
インデクサビリティが低いと、せっかくの良質コンテンツも無視されてしまいます。
具体的には、以下のような施策がインデクサビリティの改善に効果的です。
たとえば、ECサイトなどで色違いやサイズ違いの商品ページを個別に公開している場合、内容の重複が多くなる傾向にあります。
このようなケースではcanonicalで代表ページを指定することが非常に効果的です。
インデクサビリティを高めることは、検索エンジンに「このページをどう扱ってほしいか」を正確に伝える行為です。
検索意図と整合性のある構造を整えることが、大切です。
参考:検索エンジンの基礎
UX(ユーザー体験)最適化
UX(ユーザー体験)最適化とは、Webサイトを訪れたユーザーが迷わず・快適に情報へアクセスできるように設計することです。
検索エンジンはユーザー満足度を重視しており、UXの質はSEO評価にも大きく影響を与える重要な要素です。
Googleはコアウェブバイタルやモバイルフレンドリーといった体験指標をランキング要因に組み込んでおり、UXを無視したサイトは検索順位が上がりにくくなっています。
特にスマートフォンからのアクセスが主流となった今、使いやすさや表示スピードは直接的な評価軸となっています。
具体的には、以下のような施策がUX改善に効果を発揮します。
たとえば、表示速度が3秒を超えるページは、ユーザーの約半数が離脱すると言われています。
そのため、LCP(Largest Contentful Paint)などの指標は日常的にチェックし改善を図る必要があります。
UXの最適化は、検索エンジンに評価されるだけでなく、ユーザーの満足度・回遊率・CVRにも直結します。
SEOの本質は「ユーザーのための最適化」であり、その視点を持つことが大切です。
SEO内部対策チェックリスト【25項目】
SEO内部対策には、見落としやすい細かな設定や構造の工夫が多くあります。
そこで、よく実施される25項目をチェックリストとしてまとめました。
対応状況の確認や改善のきっかけとしてご活用ください。
XMLサイトマップの作成と送信
XMLサイトマップは、Webサイト内のページ情報を検索エンジンに正しく伝えるためのファイルです。
クローラーが巡回すべきURLを明示的に伝えることで、クロール効率とインデックス精度を高める効果があります。
検索エンジンは、基本的にリンクをたどってページを発見します。
しかし、サイトの構造が複雑だったり、新規ページが多かったりすると、重要なページが見落とされる可能性があります。
そうした状況を防ぐのが、XMLサイトマップの役割です。
たとえば、WordPressでは「Google XML Sitemaps」などのプラグインを使うことで、自動的にサイトマップを生成できます。
作成したsitemap.xmlは、Google Search Consoleの「サイトマップ」セクションからURLを送信すれば、検索エンジンに通知できます。
特に、大規模サイトや頻繁に更新するサイトでは、XMLサイトマップの活用がクローラビリティ改善に大きく貢献します。
検索エンジンとの正しい情報共有のために、常に最新状態を保つことが大切です。
関連記事: サイトマップとは?種類・役割・作り方まで徹底解説
パンくずリストの設置
パンくずリストは、ユーザーが今どの階層のページを閲覧しているかを示すナビゲーション機能です。
同時に、検索エンジンにとってもサイトの構造を把握しやすくなるため、クローラビリティとUXの両面で効果的な施策です。
検索エンジンは、リンク構造や階層関係を手がかりにWebサイトを理解します。
そのため、階層が不明確なサイトでは、重要ページの位置づけが伝わりにくくなり、正しくインデックスされない可能性があります。
パンくずリストはこれを補完し、構造的なヒントを与える手段として有効です。
Googleは、パンくずリストをHTMLの表示だけでなく、構造化データ(Schema.orgの「BreadcrumbList」)としてマークアップすることも推奨しています。
なお、GoogleのJohn Mueller氏は「パンくずの構造化データは通常の内部リンクの代替にはならない」とも明言しており、パンくずは補助的なナビゲーションとして活用し、主要な内部リンク構造とは併用することが重要です。
参考:English Google SEO office-hours from March 4, 2022
WordPressでは、多くのテーマやプラグインでパンくずリストの自動生成と構造化データの付与に対応しており、たとえば「Yoast SEO」や「Breadcrumb NavXT」などが代表的なツールです。
内部リンクの最適化
内部リンクの最適化とは、同一ドメイン内のページ同士を意味のある関連性に基づいて適切にリンクし、検索エンジンとユーザーの両方が情報をたどりやすくする施策です。
重要ページへの到達性を高めることで、SEO評価と回遊性を同時に向上させることができます。
検索エンジンはリンク構造を通じて、ページ同士の関係性や重要度を理解しています。
特に、文脈的に自然な内部リンクがあることで、サイト全体の構造をより深く正確に把握しやすくなります。
これは、検索エンジンにとってページの内容や関連性を理解する上での手がかりにもなります。
たとえば、ブログ記事内から関連する記事やカテゴリーページにリンクすることで、ユーザーはより深い情報にアクセスしやすくなります。
これにより回遊率や滞在時間が向上し、間接的にSEO評価にも好影響を与えます。
内部リンク設計の基本は以下の通りです。
・コンテンツ内に自然に挿入するリンクを重視する
・アンカーテキストは意味が明確で、キーワードを意識した文言にする
・サイト構造に合わせて、トップページやカテゴリページからのリンク経路も整備する
・リンク切れやリンク過多を防ぎ、重要ページに評価が集中しやすい設計にする
特に、「重要ページに適切に内部リンクが集まっているか」はGoogle Search Consoleの「内部リンク」レポートでも確認できます。
定期的な見直しと調整を行い、サイト全体の情報設計と評価伝播の最適化を図ることが大切です。
robots.txtの適切な設定
robots.txtは、検索エンジンのクローラーに対して「どのページをクロールすべきか・すべきでないか」を指示するアクセス制御用のファイルです。
正しく活用することで、無駄なクロールを防ぎ、重要なページの巡回を優先させる内部対策が実現できます。
検索エンジンには「クロールバジェット(Crawl Budget)」という概念があり、特にページ数の多いサイトでは、不要なページにクロールが消費されていると、重要なページのインデックスが後回しになるリスクがあります。
ただし、robots.txtでクロールをブロックしても、インデックスそのものを防げるとは限りません。
外部リンクなどを通じて、URLのみが検索結果に表示されてしまうケースもあります。
確実に検索結果から除外したい場合は、noindexタグを使用するのが適切です(robots.txtとnoindexは用途が異なります)。
設定時に注意したいポイントもいくつかあります。
robots.txtは、普段ユーザーの目に触れない部分だからこそ、設定ミスに気づきにくいファイルです。
サイト公開時・リニューアル時・構造変更時などの節目で、必ず見直しとテストを行う運用習慣が大切です。
ディレクトリ構造の最適化
ディレクトリ構造の最適化とは、Webサイト内のページを論理的かつ階層的に整理し、検索エンジンとユーザーの両方にとって分かりやすい設計にすることを指します。
これにより、クローラビリティとユーザビリティの両面が向上し、SEO評価の基盤が整います。
検索エンジンは、URL構造や内部リンクの関係性から、ページの所属カテゴリや関連性を推測しています。
そのため、構造が煩雑だったり、深すぎる階層や意味のないパラメータ付きURLが多かったりすると、クロールの効率が落ち、インデックスにも悪影響を及ぼします。
例えば
× https://example.com/abc123?id=98765
◯ https://example.com/shop/mens/jacket/12345
上記のように、意味を持たせた構造でカテゴリや商品属性を明示すれば、検索エンジンもその関係性を把握しやすくなります。
ディレクトリ構造の最適化は、URLを整理するだけで終わる施策ではありません。
構造を設計する段階から、拡張性・管理性・SEO効率までを見据えた設計が求められます。
特に大規模サイトやECサイトでは、カテゴリの再設計やURL再編の影響が大きいため、事前の計画とテストが不可欠です。
リンク切れのチェックと修正
リンク切れとは、リンク先のページが削除・移動されて存在しない状態のことです。
これを放置すると、ユーザーの離脱や検索エンジンの評価低下につながるため、定期的な確認と修正が大切です。
リンク切れが多いと、検索エンジンに「管理が不十分なサイト」と判断され、サイト全体の評価に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、ユーザーにとっても「ページが見つからない」という体験はストレスとなり、回遊率や滞在時間の低下につながります。
たとえば、過去の記事からリンクしていた外部サイトが閉鎖されていたり、自サイト内のURL構成を変更した後にリンクを修正していない場合などが典型例です。
リンク切れの検出には、以下のような無料の専用ツールを活用すると便利です。
- Dead Link Checker(無料オンラインツール)
URLを入力するだけで、サイト全体のリンク切れを一括でスキャンできます。
操作もシンプルで、初心者でも扱いやすいのが特長です。
定期的なチェックを行い、リンク先の修正・差し替え・削除などを速やかに対応しましょう。
URLの統一設定(wwwあり・なし)
URLの統一とは、同じ内容のページが複数のURLで存在しないよう、正規のURLに一本化する設定のことです。
検索エンジンに対して評価を集中させるために、SEOの基本かつ重要な内部対策です。
たとえば、以下のようなURLがすべて同じページを指していたとしても、検索エンジンは別ページとみなしてしまう可能性があります。
- https://example.com/
- https://www.example.com/
- https://example.com/index.html
このようなケースでは、301リダイレクトを使って、すべてのアクセスをひとつのURLに統一します。
そうすることで、評価の分散や重複コンテンツとしての誤認を防ぐことができます。
WordPressを使っている場合は、多くのサーバー環境で自動的にリダイレクトされていることもあります。
ただし、Apacheでの.htaccess設定や、Nginxでのリダイレクトルールが必要なケースもあるため、サイト公開時やリニューアル時には必ず確認しましょう。
また、Google Search Consoleにプロパティを登録する際も、wwwあり・なしの両方を追加し、どちらが優先URL(canonical)として認識されているかを確認しておくと安心です。
URLの統一は、一度設定すれば放置されがちですが、サーバー移転やSSL化などのタイミングで意図せず崩れることもあるため、定期的な見直しが大切です。
canonicalタグの適切な設定
canonicalタグは、重複するページの中で「正規のURL」を検索エンジンに伝えるためのタグです。
ページの評価が複数のURLに分散しないようにすることで、SEO効果が期待できます。
たとえば、URLにパラメータが付いたページや、絞り込み・印刷用ページなどがある場合に、本来評価されたいURLを<link rel=”canonical”>で指定します。
<link rel=”canonical” href=”https://example.com/page” />
CMSによっては自動でcanonicalタグを出力するケースもありますが、内容が同じページが複数存在する場合は、意図通りの指定になっているか確認が必要です。
正しく設定すれば、重複評価を防ぎ、検索エンジンの理解もスムーズになります。
noindexタグの活用
noindexタグは、特定のページを検索エンジンにインデックスさせないよう指示するためのタグです。
インデックス不要なページを除外することで、サイト全体の品質評価を守ることができます。
たとえば、以下のようなページはnoindexの対象になりやすいです。
- サイト内検索結果ページ
- 古くなったキャンペーンページ
- 内容が極端に薄いページ
- 類似コンテンツが複数あるパターン
HTMLでは、<head>内に以下のように記述します。
<meta name=”robots” content=”noindex”>
ただし、noindexを使うとそのページは検索結果に表示されなくなるため、誤って重要ページに設定しないよう注意が必要です。
Search Consoleでも対象ページの確認ができるので、定期的なチェックを推奨します。
nofollow設定の適正化
nofollowは、リンク先ページを検索エンジンに評価させないように指示するための属性です。
信頼性が不明なリンクへの評価伝達を防ぎ、検索エンジンに対して適切なリンク構造を示す目的で使用します。
設定は以下のようにHTMLで記述します。
<a href=”https://example.com” rel=”nofollow”>リンク</a>
たとえば、以下のようなリンクにはnofollowを設定するのが一般的です。
- 信頼性が不明な外部サイトへのリンク
- 投稿フォームなど、ユーザーが自由に書き込む領域からのリンク
また、広告やアフィリエイトリンクなどの報酬目的のリンクには、rel=”sponsored”の使用が推奨されています。
必要に応じて、nofollowと併用することで、Googleに対して意図をより正確に伝えることができます。
<a href=”https://affiliate.example.com” rel=”sponsored nofollow”>キャンペーンページ</a>
nofollow属性は、使いすぎるとクローラーの巡回に悪影響を与える可能性もあるため、必要な箇所に限定して使うことが大切です。
重複コンテンツの整理
重複コンテンツとは、同じ内容または非常に類似したページが複数存在している状態のことです。
これを放置すると、検索エンジンの評価が分散し、順位が上がりにくくなるリスクがあります。
Googleは、オリジナル性の高いページを優先的に評価しますが、同じ内容が複数URLで存在すると、どれを評価すべきか判断できず、結果的にどのページも上位に表示されなくなる可能性があります。
たとえば以下のようなケースは重複とみなされやすいです。
- 内容がほぼ同じ商品ページが色違いで複数存在
- カテゴリ・タグページの一覧内容が被っている
- URLパラメータ違いで同一コンテンツが表示される
対策としては、不要ページの削除や統合、canonicalタグでの正規化、noindexの活用などがあります。
まずはSearch Consoleやサイト内検索などで、重複ページの洗い出しから始めましょう。
関連記事:重複コンテンツの回避(キーワードカニバリゼーション)
低品質ページの見直し・削除
低品質ページとは、内容が薄い・独自性がない・検索意図に応えていないページを指します。
このようなページが多いと、サイト全体の評価が下がり、検索順位にも悪影響を及ぼすリスクがあります。
たとえば、300文字程度の短文記事や、画像のみで構成されたページ、テンプレートだけの下層ページなどは要注意です。
Googleは「価値あるコンテンツを提供しているか」を重視しており、質の低いページが多いサイトは評価を下げられる可能性があります。
対応としては、以下の方法が有効です。
- コンテンツをリライトして情報を充実させる
- 類似ページを1つに統合する
- 意図的にインデックス除外する(noindex)
- 不要なページは削除して404または301で処理する
Search Consoleやアクセス解析を活用して、閲覧数が極端に少ないページや直帰率が高いページを中心に見直すことが大切です。
サイト更新頻度をあげる
検索エンジンは、定期的に更新されているサイトを“鮮度が高く、信頼性がある”と判断する傾向があります。
更新頻度は、直接的なランキング要因ではないとされつつも、間接的にクロール頻度やインデックス更新、ユーザー満足度に影響を与える重要なポイントです。
Googleの公式ガイドでは、検索順位を左右する明確な要因としては明言されていませんが、John Mueller氏は次のように述べています。
「更新頻度がランキングの要因になることはない。ただし、頻繁にクロールされるようなサイトでは、結果的に新しいページの評価が早くなる」(クロール頻度とランキング上位は直接関係ない)
つまり、更新の有無が直接順位を左右するわけではなくとも、クロールやインデックスの観点で“変化のあるサイト”であることは有利に働く場面が多いということです。
特にE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)評価が重視される今、「メンテナンスされているサイトかどうか」はユーザーと検索エンジン双方に強い印象を与える要素です。
新規記事の投稿だけにこだわらず、既存コンテンツのリライトやUI改善なども“更新”として評価されるため、「止まっているサイト」に見えない工夫を日常的に行うことが重要です。
hタグの正しい階層設計
hタグ(見出しタグ)は、ページ構造を検索エンジンとユーザーに明確に伝えるための重要なHTML要素です。
正しく階層設計されたhタグは、ページ全体の意味構造を理解しやすくし、SEOにも良い影響を与えるとされています。
基本的な構成ルールは以下の通りです。
・ページ全体の主題(1ページに1つ)
・セクションの区切り(大見出し)
・h2の下層にあたる小見出し
・h4以降:必要に応じて段階的に使用
たとえば、h1の直後にいきなりh3を使ったり、h2とh4が混在する構成は、検索エンジンにページ構造が正しく伝わらない可能性があります。
また、hタグに主要キーワードを自然に含めることも、検索エンジンへのヒントとなるため効果的です。
ユーザーにとっても、視覚的に分かりやすく整理された見出し構成は可読性を高め、回遊やCVRの向上にもつながります。
SEOとUXの両面で、hタグ設計は基本かつ見直すべき内部対策です。
タイトルタグの最適化
タイトルタグは、検索結果に表示されるページタイトルを指定するHTML要素です。
検索ユーザーが最初に目にする情報であり、クリック率(CTR)やSEO評価に直接影響する重要な要素です。
Googleはタイトルの内容をもとにページのテーマを理解します。
そのため、キーワードが適切に含まれていなかったり、内容とずれていたりすると、検索順位だけでなくクリック率にも悪影響を及ぼします。
最適なタイトルタグを設計するポイントは以下の通りです。
- ページ内容に即した自然な文言にする
- 検索キーワードを前半に含める
- 文字数は“全角28~32文字”を目安としつつ、切れても意味が伝わるように調整する
- 他ページと重複しないユニークな内容にする
たとえば、「SEO タイトル 最適化」という検索意図に対して、「SEOに強いタイトルタグの付け方|初心者向けガイド」のように記述することで、内容が分かりやすくクリックされやすくなります。
検索結果に表示されたとき“ユーザーに読まれる前提”のタイトルを設計する視点が大切です。
関連記事:SEOタイトルの付け方と最適な文字数とは
メタディスクリプションの作成
メタディスクリプションは、検索結果でページの説明文として表示される可能性があるHTML要素です。
検索順位には直接影響しないとされていますが、クリック率(CTR)を高める重要な要素であり、間接的にSEO効果をもたらすことがあります。
Googleは近年、検索意図に合致する内容をページ内から自動抽出する傾向があり、必ずしも記述した内容がそのまま表示されるとは限りません。
ただし、meta descriptionが検索クエリと一致する場合、記述内容がそのまま反映されるケースもあります。
基本的な作成ルールは以下の通りです。
・全角でおよそ80〜120文字以内(切れない長さ)
・ページの主なテーマ・価値・行動喚起を含める
・他のページと重複しない独自の文にする
・主要キーワードを自然に盛り込む
補足として、GoogleのJohn Mueller氏は「メタディスクリプションはランキング要因ではないが、クリック率には間接的に影響を与える可能性がある」と発言しています。
参考:Google Answers if Meta Description Matters for Rankings
検索ユーザーがタイトルとあわせてこの説明文を見て「自分に関係あるかどうか」を判断するため、検索意図に合った価値ある説明文を用意することがCTR改善につながる重要な施策です。
サーチコンソールでのインデックスリクエスト活用
Googleサーチコンソールは、検索エンジンにおけるサイトの状態やパフォーマンスを管理・改善できる無料ツールです。
その中でも、「URL検査→インデックス登録をリクエスト」は、新規ページや更新後のページをGoogleに認識させる補助的手段として利用できます。
ただし、この機能は「インデックスを強制するものではない」ことに注意が必要です。
Google側が品質面やポリシーでインデックス対象外と判断した場合、リクエストしても登録されないことがあります。
操作手順は以下の通りです。
・サーチコンソールにログインし「URL検査」を開く
・対象URLを入力して、現在のインデックス状況を確認
・問題なければ「インデックス登録をリクエスト」をクリック
特に、検索流入を早期に得たいコンテンツや構造修正を加えた重要ページでは有効な手段ですが、あくまで「補助的手段」として使い、サイト全体のクオリティ向上やクロール最適化を優先するのが本質的な対策となります。
関連記事:Googleサーチコンソールとは
画像のalt属性の記述
alt属性とは、画像が表示できない場合に代替テキストを表示するためのHTML属性です。
これは検索エンジンにとって画像の内容を把握するための手がかりであり、視覚障がい者向けの支援技術にも対応する重要な要素です。
Googleは公式に「alt属性の主な目的は、アクセシビリティの改善である」と明言しており、画像SEOを目的としたキーワード詰め込みには否定的な立場をとっています。
実際、John Mueller氏も「alt属性に無理やりキーワードを詰め込むのはスパムと見なされるリスクがある」と繰り返し警告しています。
基本的な記述ルールは以下の通りです。
・画像の内容を簡潔かつ正確に表現する(例:「赤いシャツを着た男性モデル」)
・キーワードを不自然に詰め込まない
・デザイン目的や装飾用の画像は空にする(alt=””)
画像がコンテンツの一部を担っている場合、その意味をテキストで補完することはアクセシビリティ・SEO双方にとって有益です。
検索評価を狙うというよりも、「誰にでも正しく伝わる情報提供」を目的にalt属性を整備する姿勢が求められます。
参考:Google Confirms: Alt Text Is for Accessibility, Not SEO
構造化データの導入
構造化データとは、検索エンジンがWebページの内容をより正確に理解できるように、HTMLに意味を持たせるマークアップ手法です。
とくにGoogleが推奨するSchema.orgの語彙を使うことで、検索結果にリッチリザルト(旧リッチスニペット)が表示される可能性が生まれます。
リッチリザルトが表示されると、検索結果に画像・評価・FAQなどの情報が追加されることがあり、視認性やクリック率(CTR)の向上につながる効果が期待されます。
ただし、Googleは公式に「構造化データをマークアップしても、必ずしもリッチリザルトが表示されるとは限らない」と明言しており、リッチリザルトの表示は保証されていません。
導入方法としては以下のような選択肢があります。
・JSON-LD形式での記述(Google推奨)
・CMSプラグインの利用(例:All in One SEOなど)
・マークアップ支援ツールの活用(例:Google構造化データマークアップ支援ツール)
また、導入後は「リッチリザルトテスト」や「Search Consoleの構造化データレポート」で、正しく認識・解析されているかを必ず確認しましょう。
構造化データは検索順位そのものを直接引き上げるものではありませんが、検索体験の改善という観点で重要な補助要素です。
セマンティックHTMLとW3C準拠
セマンティックHTMLとは、Webページの構造や意味をより明確に検索エンジンとユーザーに伝えるためのマークアップ手法です。
たとえば、レイアウトのために<div>タグを多用するのではなく、<header>や<article>など意味のあるHTMLタグを用いることで、文書構造が分かりやすくなります。
このような設計は、視覚障がい者のスクリーンリーダー支援にも有効で、アクセシビリティの観点でも重要です。
また、Googleも「セマンティックなHTMLはページ構造の理解に役立つ」と公言しており、構造化データとの親和性を高める意味でも推奨されます。
一方、「W3C準拠」という言葉が示す厳格なバリデーション合格(エラーゼロ)については、Googleは直接的なランキング要因には含めていないと明言しています。
つまり、SEOとしては「完璧な文法」よりも、検索エンジンが正しく理解・処理しやすい構造であることが重要だと言えます。
【対応のポイント】
・意味のあるHTMLタグ(<main>、<nav>、<section>など)を積極的に使う
・<h1>〜<h3>などの見出し階層を順序正しく設計する
・重大なHTML構文エラーがないよう、開発時にW3C Validatorなどでチェックする
・装飾目的の要素は意味づけせず、アクセシビリティとのバランスを意識する
構造が明確で整ったマークアップは、検索エンジンにもユーザーにもやさしいWebサイト運用につながります。
見た目以上に「伝わる構造」を意識した設計が、SEOでも差を生む基礎となります。
ページネーションの適正設計
ページネーションとは、ブログ記事一覧や商品一覧などを複数ページに分割して表示する仕組みです。
しかし、この設計が適切でないと、クローラーが全ページを巡回できず、重複コンテンツと判断されるリスクが生じます。
かつては、rel=”next”やrel=”prev”といったリンク属性を用いたページの連続指定が、Googleによるインデックス処理に影響するとされていました。
しかし現在、Googleはこれらのタグをランキングやインデックス処理には使用していないと公式に発表しています。
そのため、現在推奨される対応は以下の通りです。
・各ページに一意のURLを持たせ、canonicalタグはそのページ自身を指定する(一覧全体に統一せず)
・重要な情報は1ページ目に可能な限り含める
・同一内容が複数ページにわたらないよう、ページごとに適度な情報分割を行う
・パンくずリストやページ番号リンクなどを設置し、ユーザーが次ページへ移動しやすい設計にする
ページネーションは、情報構造・ユーザー体験・クローラビリティの三点に関わる要素です。
過去の対応方法をそのまま引き継いでいる場合は、現在のGoogleの見解に基づいて見直すことが重要です。
ページスピードの改善
ページの表示速度は、ユーザー体験を左右する最重要要素のひとつです。
Googleも「ページスピードはランキング要因の一部」と明言しており、SEOの観点からも無視できないポイントです。
表示が遅いサイトは、ユーザーの離脱率が高まり、滞在時間や回遊率にも悪影響を及ぼします。
とくにモバイルユーザーは待ち時間に対して敏感であり、3秒以上かかると半数以上が離脱するとも言われています。
改善ポイントは以下の通りです。
- 画像の軽量化(WebP形式や圧縮)
- JavaScript・CSSの最適化(圧縮・遅延読み込み)
- サーバーの応答速度向上(高速レンタルサーバー利用)
- キャッシュの活用とHTTP/2対応
- 不要なプラグインの削除
サイトスピードは、ユーザーの満足度を直接左右し、SEOにも影響を与える技術的かつ戦略的な改善対象です。
定期的に「PageSpeed Insights」などのツールでチェックし、ボトルネックを見つけて改善を繰り返しましょう。
モバイルフレンドリー化
モバイルフレンドリーとは、スマートフォンなどの小さな画面でも快適に閲覧・操作できるWebサイトの設計を指します。
Googleはモバイルファーストインデックスを導入しており、モバイル対応は検索順位に直結する重要な内部対策のひとつです。
スマホ対応が不十分なサイトは、文字の視認性が悪く、タップ操作も難しいため、ユーザーが離脱しやすくなります。
それはそのまま、滞在時間や回遊率の低下につながり、SEOのマイナス評価を招く原因にもなります。
基本的な改善ポイントは以下の通りです。
- レスポンシブデザインで画面サイズに応じてレイアウトを自動調整する
- フォントサイズやボタンの間隔をモバイルでも見やすく押しやすくする
- ヘッダーやメニューをシンプルにし、操作のストレスを軽減する
モバイルユーザーは今や全体の半数以上を占めています。
PC版をベースにするのではなく、モバイルファーストで設計する視点が不可欠です。
SSL化(HTTPS対応)
SSL化とは、Webサイトの通信を暗号化し、第三者による情報の盗聴や改ざんを防ぐセキュリティ対策です。
アドレスが「http://」ではなく「https://」で始まるサイトが、それに該当します。
Googleは2014年から、SSL化されたサイトをランキングの軽微な要因として評価に含めており、今では常時SSLが基本となっています。
対応していない場合、ブラウザ上で「保護されていない通信」と表示され、ユーザーの不信感を招くリスクもあります。
SSL化の主な対応手順は以下の通りです。
- サーバー側でSSL証明書を取得・設定
- WebサイトのURLをすべて「https://」に統一
- 内部リンクや外部リソースのURLも適切に修正
- Search Consoleやアナリティクスの再設定(プロパティの追加)
SSL化はセキュリティ対策としてはもちろん、検索エンジンとユーザーの信頼を得るための前提条件ともいえます。
未対応のサイトは、できるだけ早期に移行することが推奨されます。
コアウェブバイタルの最適化(LCP/FID/CLS)
コアウェブバイタルは、Googleが重視するユーザー体験の指標で、主に3つの指標で構成されています。
これらは、ページの読み込み速度・操作の反応性・レイアウトの安定性といった観点から、ページ品質を評価する基準です。
- LCP(Largest Contentful Paint):ページの主なコンテンツが表示されるまでの時間
- FID(First Input Delay):初回操作に対する反応の速さ
- CLS(Cumulative Layout Shift):表示中にレイアウトがズレる度合い
これらが不十分な状態だと、ユーザーは「遅い」「動かない」「ズレて使いづらい」と感じ、直帰率の上昇や評価の低下を招く要因になります。
改善ポイントは以下の通りです。
- 画像やフォントの読み込みを最適化し、LCPを短縮
- JavaScriptの軽量化や分割読み込みでFIDを改善
- サイズを固定した画像や広告でCLSを安定させる
これらの指標は「PageSpeed Insights」や「Search Console」で確認できます。
見た目だけでなく、数字で測れるユーザー体験を整えることが、これからのSEOでは重要な評価基準になります。
WordPressのSEOプラグイン活用
WordPressでサイトを運用している場合、SEO対策に必要な設定を効率よく行うためにプラグインを活用するのが基本です。
なかでも「All in One SEO Pack」は、多機能かつ初心者でも扱いやすい代表的なSEOプラグインです。
このプラグインを導入することで、以下のような設定が可能になります。
- 各ページのタイトルタグ・メタディスクリプションのカスタマイズ
- noindex/nofollowの制御
- XMLサイトマップの自動生成と送信
- ソーシャルメディア用のOGPタグ設定(有料版のみ)
- 構造化データやSchema.orgの基本対応(有料版のみ)
初期設定ウィザードがあり、インストール後すぐにSEOの基本設定が整えられるのも魅力です。
設定画面は日本語化されており、SEO初心者でも直感的に扱いやすくなっています。
なお、有料版では上記以外にも「動画サイトマップ」「ローカルSEO」「リダイレクト管理」などの拡張機能が搭載されており、より本格的なSEO運用に対応できます。
WordPressにおけるSEO対策は、こうしたプラグインをベースとして活用することで、設定漏れを防ぎながら効率的に内部施策を進めることが可能です。
やってはいけないSEO内部施策
SEOは積み上げ型の施策ですが、間違った方法を続けていると、むしろ評価を落とす原因にもなります。
特に、かつて有効とされていた手法や、技術的に正しいようで実際は逆効果となる設定には注意が必要です。
検索順位の低下やインデックス除外といったリスクは、「意図せずやってしまっていた」ことから起こるケースが多いものです。
ルール違反とされるような行為はもちろん、効果のない施策や勘違い設定も、早い段階で見直しておくべき重要なポイントです。
隠しテキスト・クローキングの危険性
検索エンジンにだけ見せる内容と、ユーザーに見せる内容を意図的に変える行為は、Googleのガイドライン違反に該当します。
代表的なのが「隠しテキスト」や「クローキング」と呼ばれる手法です。
たとえば、背景と同じ色の文字でキーワードを詰め込んだり、CSSやJavaScriptで非表示にしたテキストを埋め込むといったケースがそれに当たります。
また、検索エンジンにはAの内容、ユーザーにはBの内容を返すようにするサーバー側の制御もクローキングと見なされます。
かつては検索順位を操作する目的で使われていましたが、現在ではペナルティ対象となり、順位の大幅な下落やインデックス削除のリスクが高まります。
HTML・CSS・JavaScriptでの表示制御は、ユーザーにとって自然な状態かどうかを常に基準にすることが大切です。
意図せず「隠している」と判断されるケースもあるため、目視だけでなく、Search Consoleやレンダリング確認ツールを活用しておくと安心です。
無意味なnoindex・nofollowの誤用
noindexやnofollowは、インデックス制御やリンク評価の伝達を調整するためのタグです。
ただし、使い方を誤ると、期待した効果どころか逆効果になるケースもあります。
よくある誤用として、重要なページやカテゴリトップにnoindexを設定してしまい、検索エンジンから見えなくなっている状態が挙げられます。
また、内部リンクにまでnofollowを多用すると、クローラーが巡回しづらくなり、ページ同士の評価伝播が断たれる原因になります。
これらのタグは、除外したい不要ページや信頼できない外部リンクに限定して使うのが基本です。
設定ミスがサイト全体の順位に影響する可能性もあるため、「何となく使う」のは避けたいところです。
設定内容は、Search Consoleやクロール統計、インデックスカバレッジなどを活用して定期的に見直しましょう。
特にインデックスされていない重要ページがないかを確認しておくと安心です。
2025年以降を見据えたSEO内部対策の未来
検索エンジンの進化とユーザー行動の変化により、内部対策も時代に合わせてアップデートすることが求められています。
従来のテクニカルな要素に加え、音声検索やAI、UX最適化といった次世代の視点が、今後のSEOでより強く求められるようになります。
これからのSEO内部対策では、「どう評価されるか」だけでなく、「どう伝わるか」「どう体験されるか」といった観点が重視されていきます。
時代の流れを見据えて、今のうちから対応の準備を進めておくことが、将来的な競争優位につながるはずです。
音声検索と構造化データ
スマートスピーカーや音声アシスタントの普及により、ユーザーは「話しかけるように検索する」スタイルを日常的に使うようになりました。
その結果、検索エンジンはより自然な会話型の質問に対して、正確かつ素早く回答する能力が求められています。
こうした音声検索に対応するうえで注目されているのが、構造化データの活用です。
構造化データを用いてページの内容を明確に記述することで、検索エンジンが情報の意味を正しく理解しやすくなります。
Googleは公式に、speakable という構造化データのプロパティを導入しています。
これは、ページ内の「音声で読み上げるのに適した部分」を検索エンジンに示すためのマークアップです。
たとえば、ニュース記事の要点やFAQ形式の回答など、音声アシスタントに読ませたい部分を指定することで、検索結果での読み上げ対応が可能になります。
また、FAQPage や HowTo、LocalBusiness などのSchema.orgに準拠した構造化データも、音声検索と相性が良いマークアップとして知られています。
音声検索への対応は、モバイル検索やゼロクリック検索との親和性も高く、今後さらに重要性が増す分野です。
構造化データの設計は、視認性だけでなく、音声による回答としての選出を狙う内部施策でもあると言えます。
AI時代のインデックス最適化
AI技術の進化により、検索エンジンは従来以上にコンテンツの文脈や構造、信頼性を深く理解する方向へと進化しています。
単に情報があるだけでなく、「誰が、なぜ、どのように書いているのか」が重要視されるようになりました。
インデックス最適化とは、検索エンジンにページの内容を正しく認識させ、確実に登録(インデックス)されるように整備する作業を指します。
AI時代のインデックス最適化では、次のような観点が求められます。
- 構造化された明快なHTML構成(セマンティックなマークアップ)
- E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を感じられるコンテンツ
- 内部リンクによる文脈と関連性の提示
- 情報の出所を明確にする著者情報や会社概要の整備
- サーチコンソールによるインデックス状況の常時確認とリクエスト活用
特にAIが介在する今のGoogleは、表面的なキーワード配置だけでは評価しません。
サイト全体で“価値のある情報を体系的に発信しているかどうか”がインデックス可否を左右する要因になりつつあります。
インデックスされないページが増えてきたと感じたら、まずは構造・文脈・信頼性の3点から見直すことが必要です。
モバイルフレンドリー完全対応の具体例
モバイル対応はすでに常識ですが、「見た目は対応しているけど実は不完全」というケースは意外と多いです。
スマホユーザーにとっての“使いやすさ”まで含めて対応できているかが、今後の内部対策では重要な分かれ目になります。
特に見直しておきたいポイントは以下の通りです。
- テーブルや画像が画面からはみ出していないか
- フォントサイズが小さすぎて読みづらくないか
- ボタンやリンクのタップ領域が小さすぎないか
- フォーム入力がスマホでストレスなく完了できるか
- 固定ヘッダーが画面の大部分を覆っていないか
これらはPageSpeed InsightsやSearch Consoleのモバイルユーザビリティレポートでも確認できます。
スマホで実機チェックしながら、実際の操作感を確かめることが対策の第一歩です。
SEO内部対策に使えるチェックツール一覧
SEOの内部対策を実践する上では、手動チェックだけで完結させるのは難しくなっています。
構造の可視化や表示速度の診断といった作業は、ツールを活用することで精度と効率が飛躍的に向上します。
このセクションでは、「サイト構造の解析」と「表示速度・UXの評価」という2つの視点から、実務で使える日本語対応ツールを厳選して紹介します。
社内SEO運用を継続的に進めていくためにも、属人化を避けてツールを基盤に据えることが、内部対策の安定化に直結します。
サイト構造解析系
サイト内部の構造を正しく把握することは、SEOの基礎でありながら見落とされがちな工程です。
クローラーが巡回しやすい設計になっているか、ページ階層が整理されているかを確認するには、専用ツールによる可視化が有効です。
日本語に対応しているおすすめの構造解析ツールは以下の通りです。
- SEMrush:Site Audit機能(有料)
ダッシュボードは完全日本語対応。内部リンク構造、ステータスコード、クロール深度、重複タグなどを一括で診断できるオールインワン型。構造だけでなくSEOエラーの洗い出しにも強い。 - Google Search Console(無料)
Googleが実際にどのページを「内部リンクが多い=重要」と見ているかを確認できる。
限定的ながら、“Google目線での構造評価”を補完する視点として有効。
構造解析は、サイトの現状を“見える化”する工程です。
改善の優先順位をつけるうえでも、信頼できるツールを活用して現状把握することが不可欠です。
関連記事:Googleサーチコンソールの使い方
表示速度・UX評価系
ページ表示の快適さは、ユーザー体験とSEOの両面で評価対象になります。
特に「Core Web Vitals(LCP・FID・CLS)」の指標は、Googleのランキング要因にも含まれており、表示速度の最適化は必須の内部対策です。
日本語で扱いやすく、SEOにも直結する評価が可能なツールは次の2つです。
- PageSpeed Insights(Google公式・無料)
モバイル・PCそれぞれの速度スコアやCore Web Vitalsを数値化し、改善点を具体的に提示してくれるツール。
HTMLや画像、レンダリングの問題などを日本語で診断してくれるため、初心者でもすぐに活用できます。 - Lighthouse(Chrome DevTools内蔵)
開発者向けにより詳細な診断が可能なツール。
表示速度に加え、アクセシビリティやSEO構造のチェックも一括で対応可能。技術的な課題の可視化に優れており、リニューアル時にも役立ちます。
表示速度は、数字で測れるUXの指標です。
単に速さだけでなく、「なぜ遅いか」を理解して改善できる状態を保つことが、SEOの継続運用では重要です。
内部対策における優先順位の考え方
内部対策はチェック項目が膨大で、Search Consoleや各種SEOツールを使えば、日々のようにエラーや警告が表示されます。
そのたびに「全部直さないとSEOに悪いのでは」と感じてしまうのも、無理はありません。
しかし実際には、エラーをすべて潰すことよりも、“意味のある対策を見極める”ことの方が重要です。
SEOは内部施策だけで完結するものではなく、最終的には「質の高いコンテンツを正しく伝える」ことが成果につながります。
限られたリソースの中で優先すべきは、以下のような“検索エンジンの評価に直結する”施策です。
- XMLサイトマップの作成と送信
- タイトルタグ・hタグの構造整理
- 内部リンクの最適化
- モバイルフレンドリー対応と表示速度改善
- パンくずリストの導入(テーマやプラグインで容易)
逆に、順位や流入に大きく影響しない細かいエラーや、修正コストが高すぎる項目は後回しでも問題ないケースが多くあります。
“SEO対策”という言葉に振り回されるのではなく、目的と効果を冷静に見極めて、「やること」と「やらないこと」を分ける判断力が求められます。
まとめ|内部対策から始めるSEO戦略の第一歩
SEOは「検索順位を上げる」ための施策であると同時に、「検索エンジンとユーザーにとって信頼できるWebサイトを育てる」長期的な取り組みでもあります。
その出発点として、内部対策はSEO戦略の基礎を支える重要な土台です。
すべてを一度に完璧にする必要はありません。
優先順位を見極め、できるところから着実に取り組むことが、結果につながる最短ルートです。
- 検索エンジンが「正しく理解できる構造」になっているか
- ユーザーが「迷わず快適に行動できる設計」になっているか
- 社内で「継続的に改善できる運用体制」が整っているか
こうした視点をもとに、自社サイトに必要な内部対策を一つずつ進めていきましょう。
SEO戦略の第一歩は、いつでも“サイトの中”から始まります。
・どこから手をつければいいか分からない
・自分たちだけで進めるのが少し不安
・設定や構造が本当に正しいのか確認したい
そんな時は、ぜひ一度私たちにご相談ください。
SEO内部対策の経験豊富なプロが、現状を丁寧に確認しながら、貴社サイトに合った改善ポイントをご提案いたします。